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「弱者の兵法」2.0

前代未聞でした。

開幕投手はドラフト8位のルーキー・北山投手。しかも2イニングで交代のオープナーです。7投手を繋ぐだけでも新鮮でしたが、まさか翌日の予告先発が発表されていた堀投手まで投げるとは。

「こんな戦い方をしていたら1年持たない」という記事がどこかに出ていました。これを1年間続けるわけないのは素人でもわかります。戦略は「正」と「奇」の組み合わせです。誰もが奇策で来ると予想しているところへ正攻法で行けば、むしろそっちが奇策になる。

阪神時代、BIG BOSSは野村克也さんの下でプレーしました。野村さんといえば稀代の策士。「野村ノート」「弱者の兵法」など多くの著書も出しています。

そんな名将から野球を教わり、栄光を掴んだ彼がただ明るくて派手好きなだけの人間であるはずがない。軽いイメージはあくまでも一面。監督となったいまでは「敵を欺くための仮面」と捉えてもいいぐらいです。

職場で↓の帯を見たときは「我が意を得たり」でした。

「天才ではないが、天然でもない」

たしかに天才的な名将ではないかもしれない。でも何も考えず、己が目立つためだけに奇抜なことをしているわけでもない。よくよく見ると個々の戦術は堅実なのです。相手打者や投手のカウントごとのデータを探り、細かく外野の守備位置を変えたり盗塁のサインを出したり。

斬新な試みに目が向きがちですが、志向する野球はあの手この手を駆使して1点を守り抜くスタイル。現役時代も見た目とは裏腹に、その本質は「守備」と「走塁」が売りの職人型でした。辛口で知られるノムさんにも「捕る、投げる、走るは一級品」と認められていたのです。

日本ハムは発展途上のチーム。決して強くない。だからこそ強者の隙を突き、裏を掻いて勝ちを目指すプロセスから多くのことを学べると思いませんか?

BIG BOSS流の「弱者の兵法」を楽しみにしています。

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