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バカバカしさを愛する人たち

さて本日は感想文ではなくいくつか本の紹介を。
昨日の記事の『空とぶ大どろぼう』もそうですが、バカバカしくて笑っちゃう本も大好きです。
一昨日の『嘘つきジェンガ』で孤独とか閉塞感とかそういうもののことを書きましたが、これって誰でもありますよね。私も図太いおばちゃんになるまで何度も感じたことがあります。
もう何もかも嫌だ!ってなった時に手に取っていた、笑っちゃって全部どうでもよく思わせてくれた本をいくつか取り上げてみようかなと思います。
古い本ばかりなので、若い方にはもしかしたら合わないかもしれませんが、そのあたりはご容赦ください💦

まず一つ目はナンシー関のコラム集。
私は角川から出てたやつを集めてました。
今は傑作選がでているんですね!

私が持ってたのは↑のシリーズ。
あと文春のテレビ消灯時間シリーズも好きでした。

消しゴム版画家でコラムニストのナンシー関さん。もう亡くなられてしまったんですが、TVのことを書かせたら右に出る人はいないと思います。毒舌と言われたりしていますが、めっちゃTV愛がある人だと思います。
どれも、そこ⁈そこに注目するの⁈っていう視点がめちゃくちゃ面白いんです。ドライでクールな書き口なのがよけいに面白い。それでいてわかるわぁ〜と思わせる内容で。おちょくっているようでいて、こんなに細かく観察してるって愛だよな、と思えるんですよね。
死ぬほど笑ったのはプロレスラーの前歴かなあ(プロレスもお好き)。アンドレ・ザ・ジャイアントの前歴は木こり、という話にめっちゃ淡々とツッコミを入れ続けるという🤣一言添えられた似顔絵ハンコがまたいい味だしていて、爆笑できるんですよね。
笑いはセラピーと言いますが、ほんとにその通りで、ナンシー関さんの本を読んでひとしきりヒーヒー笑ったら、それまでこの世の終わりみたいな気分でも復活しちゃう(笑)。どうでもいい話なのもいいのかも。
気分がどん底までいっちゃってると、お笑い番組とかも無理じゃないですか。あの騒がしいのも受け付けなくなって。その点本だと字を目で追ってると落ち着いてくるし、人間って同時に二つのことは考えられないらしいので、字を追っている間に暗い思考から離れて、さらにバカバカしい内容に笑えてきたらもうこっちのもんです。まあいっか、って気分になれます。

そんな単純に笑える系でもう一つはみうらじゅんの本。
おすすめはこちら。

もらって嫌な土産物、それがいやげものです。もう最初っから最後までどうでもいいのオンパレード(笑)。というか、どっからそんなもんみつけてくるの、みうらじゅん。
日本全国で穴掘ってる小人のおっさんシリーズが私のお気に入りです。
これ、テレフォンショッキングに出た時いっぱい出してきて、タモリさんが死ぬほどウケてたな。

こういうやつ

彼ら、時々家も建ててます(笑)。
同じようなくくりでこんなものも。

もらっても困る、カスみたいなハガキ、略してカスハガです。
どうですか、どっちも表紙だけで笑えてきませんか。
この2冊は写真の暴力で笑かしてきます😆
いやもう徹頭徹尾どうでもいい。このどうでもよさがいいんです。
先にお伝えしておきますが、本屋さんで見かけても、立ち読みはしてはいけません。挙動不審になること請け合いです。吹き出すのを咳き込んだように誤魔化すハメになること請け合いです。
いやもうここまでくると、どうやって集めたのと感心したくなるほどなんですが、マヌケさ漂うグッズの数々とみうらじゅんのツッコミがあいまって、お腹痛いぐらい笑えます。
どwうwでwもwいwいwwwって大量に草はやしながら笑っちゃいますよ。こんなどうでもいいことに血道をあげても生きていけるんなら、たいていのことはなんとかなりそうな気がしてきませんか?なんならうっかり、こういうどうでもいいことに注目できる、そんな人に私はなりたいと思ったりしてしまうレベル。
理屈抜きで笑える本です。

そしてもう一つ、朝日新聞で連載していた時から毎週楽しみにしていたこちら。

私実は、以前読書感想文の相談をした、つねたまじめさんはこのノリを踏襲してらっしゃるんじゃないかと思っています。
らもさんの肩の力の抜けた絶妙な返しがほんとに面白いんですよね。おちょくっている感じはしなくて、むしろ真面目に答えてる風なのが逆に面白い。らもさんの子供のようないたずら心に満ちたお答えがいいんですよねえ。
ほんとに子供みたいなことをなさる方で、この本じゃないんですけど、『アマニタ・パンセリナ』だったかな?リリパットアーミーの芝居の時に、チチ松村さん(ゴンチチの方)のドーランのスポンジを高野豆腐にすり替えたら、チチ松村さんが「こここ、高野豆腐やあ〜」と叫んでびっくりしたというエピソードが大好き。小学生みたいなイタズラして喜ぶという可愛らしさもありますよね。
そんならもさんの魅力たっぷりの悩み相談。深いことを言っているようでいて全然深くないという絶妙さがいいんです。ちなみにだんだん投稿する方もウケを狙ってきはじめるのもまた味わい深い。ボケ合戦みたいになってるのもけっこうあります。もちろん、真面目にお答えしているものもありますが。
ちなみに調べてみると、一部通販生活のサイトで読むことができるみたいですね!色んな方がご自分のマイベストで3つほど明るい悩み相談を選んで掲載されているようです。
試し読みにどうぞ。

このなんともほわーんとした空気のクスッと笑える感じが癒されます。

今回取り上げた本はどれもなんだか元気が出るので、今でもちょいちょいつまみ読みしています。それでケタケタ笑ってスッキリした気分になって寝れば、世はこともなし、という感じ。
このお三方はどなたも、バカバカしいことに全力で真面目なんだと思います。バカバカしいことを愛してらっしゃる。変な言い方ですが。
斜に構えて、こういうのが面白いんでしょ?とか、こう言うことに注目しちゃう私、みたいなのが匂うと、とたんにつまらなくなっちゃう。徹頭徹尾どうでもいいことを、真面目に言っちゃうところが面白いんであって、面白いもの探してきました〜っていうのは野暮の極み。
ああ、この人はこれが好きなんだなあと感じられるから面白いんですよね。
どれも、そんな面白愛が伝わってくる本です。
なんだかんだと不安を煽るようなニュースの多い昨今ですが、たまにはこんな笑える本で、ま、なんとかなるわな、という気分になってみるのもいいんじゃないでしょうか。
モヤモヤが吹っ飛ぶぐらい笑えますよ〜!

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