今週、読み終えた本 『黴の生えた病棟で』 『あのころはフリードリヒがいた』
精神科病院で勤務する身として、驚き、怒り、戸惑い、恐怖を感じる内容だった。
私は、赴任した病院で数年勤務したあと、ベテラン看護師による患者への暴力を若手看護師から知らされ、その日のうちに院長へ報告し、当該職員の出勤を停止し、家族へ連絡し、院内調査を行ない……、という経験がある。
若手が率直に知らせてくれる空気を作っていたのが良かったと自負している。
虐待させないのは絶対に大事だが、目撃した虐待を報告できる環境も同じくらい大切だ。
本書は当院の虐待防止委員会のメンバーには絶対に読んでほしい。できればスタッフ全員に読ませたい。
院内図書として蔵書する。
胸が苦しくなる、でも素晴らしい本だった。