誰かに勧められた本は読みたくなる。
今年はたくさんの本に出会うことがテーマです。
自分で選んだ本も良いけれど、たまには誰かに勧められた本も読んでみませんか?きっと、思ってもみない言葉や新たなジャンルの発見があるはず。
今回は、ブックラボユーザーの皆さんに「誰かに勧めたい一冊」をコメントを添えて教えていただきました。
■『新しいコミックスのデザイン。』 (日貿出版社)
漫画のジャケ買いをしたことがある人に、特におすすめの本です。
漫画を買うとき、手にとってからレジで会計を終えるまでの間、色んな感情が生まれると思います。
「オタク向けの漫画」は少し恥ずかしく、
「大人な雰囲気の漫画」は少し自慢げに、
「大好きな漫画」は期待に胸を膨らませて。
まだ読んでいないのに、気持ちは高まります。
そんな様々な感情の醸成に一役買っているのが、作品の顔である「装丁」です。この本は、「装丁」がどうやって作られているのかを41点の事例とともに紹介したものです。ポップ・キュート・スタイリッシュ・ナチュラルのジャンル別に事例が掲載されているので、自分の気分に合わせて眺めるのも楽しい。
この本を読んでからは、「あの装丁はどうやってデザインされたんだろう」と思いを馳せるようになり、より一層漫画の楽しみが増えました。
■『星の王子さま』 (サン=テグジュペリ/文藝春秋)
外出自粛期間でほとんどの本を売りました。
ただ、その中でも大切な本だけは紙の本のまま、手元に置いてます。
その中のひとつに「星の王子さま」があります。
目新しいことは書いてないけど、
ちゃんと心に留めておくべきことが、ここには書いてあります。涙を流すような感動はないかもしれませんが、ふと、立ち止まれるきっかけになってくれると思います。
シンプルな言葉で、でも、解釈の仕方は人それぞれで……
自分に余裕がない時こそ、大人になってしまった今だからこそ
本書を読んでみることをオススメします。
タイトルは知ってるけど読んだことない方は、とりあえず、読んでみて下さい。きっと、手元に置いておきたくなる一冊になってくれると思います。
■『暇と退屈の倫理学』 ( 國分功一郎/太田出版)
國分功一郎先生は大学1〜2年の時に読んだのですが、ちょうどその頃『何をしてもいいはずなのに、何もすることがない。』と思っていて、すがるようにこの本を手に取ったのがはじまりです。
この本には「楽しむためには訓練が必要だ」という一節があります。
たとえば食事にしても、いろんなものを食べるから、味の違いがわかるようになる。だから、学ぶということはつまり楽しみ方が増えるということ。当時の自分は楽しみ方を知らない・足りないのだと思いました。
音楽を聴いていても、映画を見ても、漫画や小説を読んでも、お仕事をしていても、色々な切り取り方をして、知識を派生させながら深掘りし、ときには議論をかわしながら新しい気付きを得る。
そんな「退屈しない大人」でいたいと改めて思わせてくれる一冊です。
■『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』 ( さいとうしのぶ/リーブル)
おいしそうなイラストに心躍る絵本です。
「あっちゃん あがつく」のリズムであ行〜わ行まで、 濁音、半濁音も含めて69音すべてが登場するのでかなりの読み応えです。
その読み応えゆえ、発声を意識して読むと口が痛くなります。
お子さまや自分用にはもちろん、食いしん坊な友人へのギフトにもぜひ。
今の時期、なかなか新しいことに挑戦するのは難しいけれど、いつもと違う本を読んでみる、違う本屋で買ってみる、小さな変化を楽しんでいけたらなと思います。
勧めたい本を教えていただける方は、ぜひコメントくださいね。
BOOKLABTOKYO 富澤