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【本134】『クリスマス・キャロル』

著者:ディケンズ 出版社:新潮文庫

毎年12月になると、『クリスマス・キャロル』を読み返します。
この物語は、クリスマスイブの夜に冷酷なスクルージのもとを訪れる現在・過去・未来の幽霊たちとの出会いを描いたものです。彼らとの旅を通して、スクルージが心優しい人へと変わっていく過程が綴られています。

この小説にはさまざまなテーマが込められており、読むたびに新しい発見があります。
今回読み直して特に気になったのは、未来の幽霊の「沈黙」でした。現在や過去の幽霊は、積極的にスクルージを導き、多くを語ります。しかし未来の幽霊はあまり話さず、スクルージが懇願してようやく行動を起こすのです。

その理由を考えるうちに、こう感じました。本当に自分が変わらなければならないときや、答えを見つけなければならないときは、人から与えられるのではなく、最後は自ら探し、自ら求める必要があるのだと。

他にも、『クリスマス・キャロル』は、愛すること、愛されることが人生にどんな影響を与えるのか、救いとは何かを考えさせてくれます。スクルージの物語を通して、自分自身にも問いかけることができる、素晴らしい物語です。

クリスマスの季節、世界中が愛で満たされ、喜びの声が響き渡りますように。

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