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【本127】『母の待つ里』

著者:浅田次郎 出版社:新潮文庫

この小説の第1章は、40年ぶりにふるさとに帰る大企業の社長さんのお話し。そこに待っていたのは、美しい自然に囲まれ、暖炉を囲み、美味しい手料理と昔話をふるまう年老いたお母さん。

帰郷するたびに、心から喜んでくれて、
自分の歩んできた道を全肯定してくれて、
背中を押して、励ましてくれるお母さん。

一生懸命生きているからこそ、時には、傷ついた羽を休ませる場所、帰れる場所が大人には必要です。そして、多くの人にとって(おそらく世界中どこでも)、その場が「お母さん」なのかもしれません。

読み終わってから、本の表紙絵を見ると涙がこぼれてきます。息子の帰りを小さなお母さんが迎えてくれる姿。「良けえってきてけだなァ。ゆぐっとすてくなんせ。」。そんな声が聞こえてきそうです。

この物語のベースにはとてもトリッキーな仕組みが流れています。ストーリーを知らないで読む方が面白いので、口コミとか読まずに読んでみてくださいね。

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