誰が為の世界で希う-18
数日後、黄昏時も過ぎて暗くなった時間。
蓮人と巷一は、魔法の練習によく使っていた公園の、すぐ近くにある喫茶店で顔を合わせていた。夏場にもかかわらず長袖のパーカーを着ている蓮人はまだしも、半そでの服を着た巷一には随分と寒く感じられるほどに、冷房のよく効いた店内だったからか、二人ともホットの飲み物を注文し、手元に置いている。
飴色の照明が二人の髪を艶やかに照らす中、蓮人がコーヒーに口をつけて話を切り出す。
「すみません、急に呼び出してしまって」
「いや、別にそれは構わないよ