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  【おばさんの日常】

〜初めての給油体験〜

私は車の運転はしますが、給油をしたことがありません。

ガソリンが少なくなってくると夫に頼んで入れてもらうという、マダムな生活を送っています。

ガソリンが4分の1を切ったので、今週末夫に頼んで入れもらおう、と思っていた矢先、夫が発熱しました。

鬼嫁の私でも、さすがに病人に
「ガソリン入れてきてよ」
とは言えません。

給油に行く決意を固めました。


「給油口は左だから左側に停めるんだよ。
後は店員さんに訊けばやり方教えてくれるから」
と夫にアドバイスを受け、家を出ました。

一人でガソリンスタンドに入るのも初めてです。

恐る恐る入り、車を停め、エンジンを止めて近くにいた店員のお兄さんを手招きしました。

「初めてなので教えてもらえますか?」
と言うと
「給油口が左なので、左に停めてもらえますか?」
と苦笑いされました。

ああ!
なんということでしょう!

ついさっき夫にアドバイスされたばかりなのに、パニクっている私は早速やらかしてしまいました。

左に停め直し、お兄さんにやり方を伝授してもらいます。

このおばさんはやばい、と思われたのか、給油口を開けてくれるところまでやってくれました。

夫に渡されたカードを挿入し、レギュラー満タンを選び、重たいホースのような物を給油口に差し込みます。

常々疑問に思っていたのですが、満タンになった時の合図ってどうなっているんだろう。

外からじゃわからないから、満タンに気づかなくて、ブシャーっとガソリンが溢れ出てぶちまけることになったらどうしよう、と不安に思っていると
「満タンになったらカチッと音がして自動で止まるんで」
と親切に教えてくれました。

給油口にホースを差し込んだはいいけれど、ガソリンが出てきません。

握る場所を間違えていたようです。

お兄さんに指摘され、いざ給油開始です。

自動で止まるとはいえ、目に見えない満タンはやはり怖いです。

本当に止まるんでしようね。
このままブシャーってならないでしょうね。

給油の時間がえらく長く感じられましたが、カチッと音がしたので無事に止まってくれたようです。

安心してホースを戻すも、戻す位置を間違えてまたもやお兄さんを手こずらせる49歳。

これがピッチピチの20代女性なら
「かわいいな」
と思われたでしょうが、49歳のおばさん相手ではお兄さんもげんなりしたことでしょう。

ご丁寧に給油口をしっかりと閉めていただき
「最近はセルフしかないですからね」
と憐れみの言葉で送り出してくれました。

ありがとう、お兄さん。

でもきっと、私は一度では覚えられません。

次回からはまたマダムに戻ります。

どうしても夫の都合がつかなかった時には、また初めてのフリをして手取り足取り教えていただくことになると思います。

その時はよろしくお願いします。

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