
短歌一首 ~ 言問橋
業平か
はた団子屋か
まっすぐな言問橋の名前のいわれ
東京・浅草にある「言問橋」は、かの川端康成が、その直線の美しさを褒め、「言問は、男だ」と言ったとか。また、風情のあるその名の由来は、在原業平の「名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと」の歌による、あるいは、この地で商売をする団子屋が隅田川にちなむ業平にあやかって「言問団子」と名付けて売ったからだとかいわれています。しかし、業平がこの歌を詠んだとされる地は別だったようですから、やはり、団子に「言問」の名を無理やり?くっつけた団子屋のおやじに軍配をあげたく思うところです。
あの人の言葉
短歌は、「思想」などを云々するには及ばざるものである。
~斎藤茂吉(歌人・精神科医)