砂糖なし育児
娘がまだ赤ちゃんの頃に「クーヨン」という雑誌を読みました。そこで「山田奈美さん」という方を知ります。その方は「薬膳・発酵料理家」で、東洋医学や薬膳理論を学んだ経験を活かし、その知識を生かしたレシピを提案されている方です。山田奈美さんは「白砂糖」を取らない生活を始めてから、日々の料理はもちろんおやつも手作りにこだわり、食事からスイーツまで砂糖を使わない様々なレシピを発表しています。
私も色々な本に影響され、なるべく子どもに「砂糖を与えない」育児をやってみようと決めました。ですが、実際に「白砂糖を使わないおやつ」などを実践的に作ることが出来たのは、この方の本のお陰でした。
「おやこの薬膳ごはん」という本があります。私はこの本を何度も何度も図書館で借りました。(買わなくてすみません汗と言いたい)図書館の中で自分が1番借りたと思えるくらいです。そして参考にご飯づくりやら、おやつなどを作りました。とてもシンプルな味わいで美味しくて体に優しい料理ばかりでした。
特に気に入っていたのは、「鯛のおろし煮」です。これはだし汁で炊いた鯛に、最後大根おろしをかけたものです。鯛は鼻づまりに効くそうです。夫も娘も同じような鼻炎症状があったので、そういう症状の時に作ることが多かったです。鯛に鼻詰まりを良くする効果があったかまでは、正直分かりませんが(;^_^A・・。今でも鯛が安く手に入った時や、胃腸に優しいものを食べたい時などにも作っています。
段々大きくなるにつれて市販のお菓子を食べる機会も増えてきました。娘はあんこなどの和菓子も好きだったので、それで作り始めたのが「発酵あんこ」です。これは小豆と塩、そして麹で長時間発酵させて甘くするものです。山田奈美さんの作るあんこは炊いた小豆にレーズンなどドライフルーツで甘みを付けていました。私は発酵あんこにドライフルーツを足すことで甘みを少し上げて作りました。
これは家族に大好評でした。そしていくら食べても罪悪感もありませんし、お腹にも優しい味わいです。餅と一緒に食べたりヨーグルトに入れたり、お汁粉にしたり、色々な方法で食べていました。
市販のお菓子を食べるようになって気づいたことがあります。それは、今週甘いものが続いたな・・とかケーキを食べて、甘いお菓子を食べて・・とか1~2週間に何回かあった時など、鼻の調子が悪くなることが度々起こりました。鼻詰まりや痰、咳、鼻かぜなのかアレルギーなのか分からないような症状です。悪化すると副鼻腔炎になってしまいます。
特に鼻炎症状がひどくなったのは、幼稚園の頃でした。この頃は私も急に忙しくなったのと、娘ももう大きくなったし、手作りのおやつにそこまでこだわらなくてもいいかなと考え、市販のものが中心だったのです。食事をより簡単にするため、パンなどすぐに食べられるもの、スーパーで手軽に買えるものも多く食べることが多くなっていました。
小麦も砂糖も腸内環境を乱すようです。それで、小麦の鼻炎に与える影響も疑うようになりました。
家族は「砂糖や小麦と鼻詰まりは関係ないよ」と言いますが、私にはそうは思えなかったのです。副鼻腔炎になると抗生物質を飲まないと、治らなくなってしまいます。娘の鼻炎症状は遺伝的に弱い部分もあると思いますが、それを悪化させてしまったのはやはり食事もあるのではないかと、自分の中で感じる部分が大きかったのです。
自分の中で「食事に対して気にし過ぎではないか」という思いと葛藤しながらいました。何でも食事を中心に考えることは、母である私の首を絞めることにもなります。市販の手軽なものをある程度手放す覚悟が要るからです。それにあまり母が食事にうるさいというのは子どものメンタルにも悪い影響を与えそうです。よく聞いたのは、子供の頃極端に何かを制限されて育った子どもが、大人になって以上にその食べ物(あるいは飲み物)に執着するという話です。自分の理想の食事と、現実にできること、食べたいものとの折り合いに悩むこともありました。
本の著者のように徹底して実践されている方が眩しく思える一方で、「私にはむりだわ・・」と卑下したくなる気持ちになることもありました。それでそういった健康関連の情報を遠くへ追いやりたいような、そんな気持ちになってしまいました。
久しぶりに、山田奈美さんの新刊のレシピ本を図書館で借りました。「かんたんでおいしい砂糖なしおやつ」というものです。とても美味しそうなおやつが並んでいました。作り方もそんなに難しくなさそうですし、材料も凝ったものは並んでいません。この著者の方のレシピは一貫して、砂糖不使用で、小麦粉も使っていなかったり、甘味も控えめで作られているので安心して見ていられます。
娘が小学校に入り、時間的に少し余裕が出てきました。それにかかっている漢方内科の医師に、「年齢と共に少しずつ良くなってくると思うよ」と言われたことで少し楽に考えられるようになったのかもしれません。私は再びこういったお菓子を作ってみたいという気持ちになってきました。
「私はやはりここに戻ってくるのだなあ」、とそんな気持ちで本を眺めていたのです。もちろん市販のおやつも大好きなのですが、「我が家の家庭での味はこうである」という芯みたいなものを「山田奈美さん」の本には沢山いただけた気がします。