私の大好きな映画の曲「ニューシネマパラダイス」より
私はイタリアの名作映画「ニューシネマパラダイス」の「愛のテーマ」という曲が好きです。特に結婚当時はあまりに好きだったので、結婚式のオープニングの動画の曲か披露宴で流したかったくらいだったのですが、夫から結婚式には向かないからと反対されました。代わりにホテルが用意していた披露宴の選曲リストに載っていたニューシネマパラダイスの別の曲を披露宴では流したのです。
「愛のテーマ」が流れていたシーンがまた絶妙でした。映画の最後のシーンで30年時がたち、年を取った主人公は故郷に帰省して、そこで初恋の女性にそっくりの女の子を見かけます。栗色のウエーブがかったヘアスタイル、そぱっちりとした瞳、主人公がその女の子の姿を見かけるシーンには、こちらもどきりとします。その女の子は後に初恋の女性の子どもだと判明します。
(以下、映画の内容の核心に触れます)
一番のラスト、主人公が幼いころからともに時間を過ごしてきた年の離れた(子どもとお父さん以上離れている?)友人のお葬式に参列した主人公は、友人の奥さんから、その友人が残したフィルムを手にします。その友人は主人公の映画の才能を応援し、シチリアの島にいるより都会に出て映画の才能を開花させてほしいと願い、結果的に初恋の女性と離れ離れになるようにしむけたのです。
30年がたって、その事実を知った主人公は、亡くなった友人に複雑な感情を抱いたのかもしれません。しかし、友人の残してくれたそのフィルムを見ると、そこには昔、幼い主人公と映画技師をしていた友人が、一緒に映画館で過ごした際に見た数々の映画のシーンをつなげたものがありました。それらのシーンは神父による検閲で引っかかってしまい、友人によってフィルムからカットされた数々の映画のキスシーンだったのです。主人公のフィルムを見るその顔には、亡くなった友人への複雑な感情ははなく、幼い頃の映画に目を輝かせていた、映画が大好きだった自分自身と友人との思い出が映っていたのかもしれません。
私はこのラストのシーンがとても好きでした。何度見ても涙があふれるシーンです。
私はこの曲を久しぶりに聞く機会を得ました。「西川悟平」さんというピアニストのリサイタルで聴きました。弦楽器(ヴァイオリン、チェロ、ビオラ、コントラバス)との合奏で、それは本当に素晴らしい演奏でした。会場中が感動の渦に包まれていました。事前に曲のリストがあったわけではないので偶然この曲を聴く機会を得たのですが、それは素晴らしいものでした。大好きな映画の曲と再会した、この夜のリサイタルを決して私は忘れないと思います。