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国立映画アーカイブ 上映企画感想
タイトルの通り国立映画アーカイブへ2022年3月27日に行ってきたので、上映企画で上映された映画を中心に感想を整理します。タイトルの上にある写真は外から撮影したものです。
国立映画アーカイブとは?
東京都文京区にある日本で唯一の国立映画専門機関でホームページには以下のような説明が書かれています。
国立映画アーカイブ(英語名称:National Film Archive of Japan)は、昭和27(1952)年に設置された国立近代美術館の映画事業(フィルム・ライブラリー)に始まり、昭和45(1970)年の機能拡充による東京国立近代美術館フィルムセンター開館とその後の活動を経て、平成30(2018)年、独立行政法人国立美術館の6番目の館として設立に至りました。
引用元 2022.4.1.21:40 国立映画アーカイブ 概要
映画や関連する資料の保存、展示、公開を様々な形で行っていますが今回は7階の展示室で行われている常設展と特別展、2階の長瀬記念ホールOZUで上映された映画2作を見てきました。
上映企画『フランス映画を作った女性監督たち――放浪と抵抗の軌跡』
国立映画アーカイブでは定期的にテーマを設けて様々な映画を上映しているそうです。今回のテーマについて以下のような説明があります。
本特集は、アンスティチュ・フランセ日本およびシネマテーク・フランセーズの協力を得て、14プログラム28作品で、フランスの女性監督の歴史をパイオニア、そして放浪というテーマで紹介する企画です。
引用元 2022.4.1.21:50 国立映画アーカイブ 上映企画『フランス映画を作った女性監督たち――放浪と抵抗の軌跡』
今回は『パリ1900年』(1947年)と『オリヴィア』(1951年)を視聴。
『パリ1900年』『オリヴィア』感想
『パリ1900年』は20世紀初頭のフランスについてパリを中心に政治、文化、科学、生活にゴシップと幅広い面で振り返る記録映画。最初はエッフェル塔から始まり最後には第一次世界大戦と激動の時代について当時の映像と一緒に学ぶことができます。その反面、様々なテーマの話をテンポよく繋げながら時折コミカルな表現も交えるなどの工夫もされており、純粋に映画として楽しめました。監督・脚本・台本を務めたニコル・ヴェドレスについては解説動画もあるので興味がある方はご覧ください。
『オリヴィア』は主人公オリヴィアが女性教師に対する持つ恋心とその苦悩を中心に、女子寄宿学校の複雑な同性同士の人間関係を描いた作品。監督のジャクリーヌ・オードリーについては以下のように紹介されています。
戦後から1950年代にかけて商業的に成功したフランスで唯一の女性監督とされるジャクリーヌ・オードリー(1908-1977)は、撮影所でスクリプターや助監督として働き、監督の代理で現場を任せられるようになって監督への道が開けた。
引用元 2022.4.1.22:15 作品リスト
率直な感想としては難解かつ登場人物の癖が強かったので、個人的には理解することも楽しむこともできなかったです。作中に出てきた文学作品や当時の女子寄宿学校に対する理解があれば感想は変わるかもしれません。
改めて企画のテーマを振り返る
視聴前や視聴時は意識していませんでしたが、ここで上映企画のテーマの「パイオニア(抵抗)と放浪」について考えてみます。パイオニアについてそれぞれ以下のように記載されています。
アンドレ・バザンも「小説におけるプルーストに匹敵する」とその革新性を評した。(パリ1900年 解説文)
同性愛を正面から描いた先駆的な作品。(オリヴィア 解説文)
引用元 2022.4.1.22:15 作品リスト
小説、映画における同性愛の歴史についてはまだまだ勉強不足なので考察や評論は控えておきます。では放浪はどうか?少し考えましたが『パリ1900年』は時代の中で変わり続ける世の中、『オリヴィア』は新しい学校の出会いから始まり学校との別れで終えた主人公が当てはまるのではないのかなと思いました。
まとめ
どちらも恐らく日本ではここでしか見れないであろう貴重な作品、難解な部分もありましたが非常に良い経験と勉強になりました。
予想以上に文章が長くなったのでこの記事では細かい部分は省きますが、7階で行われていた常設展と特別展もともに素晴らしい内容でした。
映画が好きな方だったら行く価値はあるといっても過言ではない素敵な施設です。