私を変えた言葉
焦りや、心配を抱えていたけれど、毎日それらをかき消すように忙しくしていた、育児1年生〜の数年間、ヒリヒリした私の心を鎮めてくれた言葉がありました。
子育てが始まって2年目に次男を出産、1ヶ月後に東日本大震災が起こりました。被災地以外の場所でも、多くの人の心に様々な傷を作ったあの東日本大震災の後。我が家でも様々な事がありました。長男の心は不安定になり、チックと呼ばれる症状が現れました。その頃の様子は↓こちら
何もできない無力感と、子育てや仕事、キャリアやライフバランスなどなど様々な所にあった焦りで、自分を保つのが苦しくなっていた頃に出会った言葉。
お母さんは
未来をつくる大切なお仕事
Eテレか何かの子育て番組だったと思います。どなたの言葉だったのかも忘れてしまったのですが、私を救ってくれた言葉でした。
あぁ。私にもできる事がある。
目の前の子どもたちを育てることは未来を作ることなんだ。これほどすばらしい仕事は、なかなかできることではないな。ありがたい。子宝に恵まれ、機会に恵まれ、たくさんの恵みを受けて私は生きているんだ。今、私が生きる事の意味はそこにあったんだ。
無力ではないと思えた。その時、ようやく周りが見えた気がしました。
焦りはどこから生まれたのかと言えば、他者との比較にあるのは明白でした。子どもを持ったことによる重責を消化できず、安全策、保険、安定…そうしたものを求め、他者と比較をしながら安全地帯を求めた結果の焦りでした。
焦りとサヨウナラするならば、捨てなきゃならない事がたくさんありました。
直ぐには捨てられなかった…。けれど限界は近かったし、トンネルの出口は見えていました。
焦りは家族を幸せにはしなかったし、私も幸せとは程遠い感覚で生きていました。歯車が回っている方向はトンネルの出口を目指しておらず、暗闇の方へと向かっているのが分かりました。
ある日、仕事でお客様にご迷惑をかけた。当時フリーランスだった私にとって致命的でした。お客様に対するミスが致命的だったのではなくて、私の心が仕事に向かない事が最も問題で致命的でした。
辞めよう
私の負のスパイラルに、他の誰かを巻き込んでしまう。まずは停止させなければ…。
お母さんとして、未来をつくる仕事を本気でやってみよう。二兎追うものは一兎も得ず。私は何足のワラジも履きこなせるスーパーウーマンじゃない。
これまでの自分に、笑顔で気持ちよくサヨウナラした。そこに行き着くまでにちょっと時間はかかったけれど、未練なんてものは無くて、清々しくそして満足した。もう必要なかったんだね。サヨウナラ。また逢う日まで。
私の中のお母さんが、突然輝き出した瞬間だった。
お母さんは
未来をつくる大切なお仕事
この言葉は、私に大切な事を教えてくれました。
この言葉は、どの職業でも、あるいは職業ではなく『仕事』でも、どれにでも当てはまる言葉だったのです。
〇〇は
未来をつくる大切なお仕事
どんな営みも大切な未来をつくっている。誰かに認めてもらう前に、まずは私がその仕事を誇りに思い、大切にしなくてはならない事。金銭が発生したのか?どれほど多くを得たのか?という事はもっとずっと後の話。どうやら私は資本主義社会の中で、大切な事が見えなくなってしまっていたのでしょう。
お金持ちになりたいわけじゃない。自由でいたいと思っていた若かりし頃の私に、子育ては深く広い学びをもたらしました。今ではあの頃よりは、少し視野が広がったように感じます。
あなたの、未来をつくるお仕事はなんですか?