読む本のジャンルが偏ってしまうあなたに - 哲学・思想編 #1
こんにちは
突然ですが、
本は読むけどなんだかジャンルが偏りがち
新しいジャンルの本に挑戦してみたいけど何から読んでいいのかわからない
こんな悩みをお持ちの方はいませんか?
このコラムでは、特定ジャンルの本を一冊ずつ取り上げて紹介していきます。
読書の幅を広げるのに少しでもお役に立てるよう情報を共有していきたいと思います。
今回のテーマは哲学です。
哲学と聞くと難解でとっつきづらいイメージを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
私自身の話をするとプラトンやニーチェなど著名な哲学者の本を一通り目は通したものの、どんな内容が書かれていたのか、ほとんど覚えていません。何となく難しかったという印象だけが残っています。
ところが、そんな私でも一冊だけ、折に触れて読み返す哲学の本があります。
今日はその本をご紹介したいと思います。
それは
三木 清 『人生論ノート』(新潮文庫)
という本です。
画像カバーなくて申し訳ないです。
まず、この本の良いところは各章が「死について」、「幸福について」など〇〇についてという形になっているところ。
自分の興味ある章だけ読んでも全然問題ないです。
そして何よりページ数が150ページほどと短い。
読了のハードルも低いです。
私は大体目次を眺めて、その時気になった章を再読します。
三木清(1897-1945)は日本の哲学者です。
簡単に以下略歴を記します。
兵庫県出身、1917京都帝国大学入学、1922-27欧州留学。
『パスカルに於ける人間の研究』や『唯物史観と現代の意識』等を発表。
1930年日本共産党への資金提供のために検挙される。以後、ジャーナリズムの場でファシズムに抗する言論活動を行う。1945年共産主義者の友人を匿い治安維持法違反で再び投獄され、終戦直後に獄死。
上記略歴を作成する際に参考にしたサイトは、https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/6072/です。
(参考:三木清|近代日本人の肖像,解説,2024年9月22日)
その死に様が壮絶なこともあり、印象に残っている哲学者の一人です。
個人的に『人生論ノート』の中で気に入っているのは、「孤独について」の章です。
その章の中に
という文章があります。
私自身一人でいる時よりも、ある程度顔の見知った複数の人たちの中にいて、自分の感覚や考えがうまく合わなかった時の方が孤独を感じることが多かったので、とても共感した覚えがあります。
本の中に自分の考えとのシンクロや新たな気づきがあった時、読書経験は飛躍的に豊かなものになります。
あなたも自分なりの共感できる一文を探してみてはいかがでしょうか。