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経験した武道、武術について3

柔道は中学2年生の1年間で終わったと前回書いた。
理由が柔道よりもさらに興味あるものに出会ったからであると。
誤ってマニアックな世界に落ちた原因は漫画である。

と言っても、漫画は昔から読んでいる。
その漫画の内容に強く興味を持ったからだ。

本の名前は『拳児(けんじ)』。
武術好きなら読んだことがあるのではないか?
…最近の若い人はどうかは分からないが。

拳児

この漫画を軽く解説すると、主人公の少年が八極拳という実在する拳法を学び強くなる話で、実在する(もしくは実在した)モデルが沢山出てきたり、武術の練習方法やエピソードが沢山出てくる。
また原作の松田隆智先生(もう亡くなられたが…)が日本の中国武術紹介の第一人者で、この方の持つ幅広い知識が余すことなく出てくる。

当時、読んだときは中学2年生の冬休みだった。
たまたま本屋でコミックが売っていて、読んだ私はハマってしまったのだ。
確か3巻だが、本屋で中を見ることができ、その巻では主人公は中学生だった。
自分と同じ年代である。
しかし、主人公の生き方がすごく面白く、最初から読みたいと思った私は小遣いを使って一気に1~9巻位を買って一気に読んだ。
そして、読んだ後は私もこの八極拳を練習すれば一撃で相手を倒せるかもしれないと思った。
また、本当にそんな威力を身に付けられるのか?という疑問も持った。
そこで漫画のように暗くなってから近くの公園に行き、拳児2巻にある練習方法(図解入り)などを見て早速練習し始めた。
https://images.app.goo.gl/bunAiURTh7tvXCHw8

多分、今考えれば、この時は柔道も空手も強くなれず、周囲よりも強くない自分に対してがっかりしていた頃だけに、すがれるものを見つけた感じだったのだろう。
ただ、この時の情熱はすごく、毎日夕方暗くなる前にランニング5キロ走り、その後に1~2時間ほど公園で八極拳の沖捶、鶴歩推山、小八極、大纏、また劈掛拳等その漫画の内容にあるものを色々練習した。
(ランニングについて、毛利さんという軍隊格闘技のインストラクターの本に野外ランニングは強くなるため必須みたいなことが書かれていて、走り始めた。)

この練習中に、学校の同級生と1人新たに知り合いになり、一緒に練習もした。
また柔道部の同級生とも部活動以外で会って、練習含め付き合うようになり、その友人とは今も交流がある。

この自主トレは意外に続き、中学3年生の受験の2~3月を除けば、高校1年生の4月くらいまで続いた。
この時に、色々工夫したり考えたり、分析したりというのが自分の性分に合っていることを知った。
また、この時期の得た武術知識や練習の経験、得た感覚などは現在の私の核を作ったと思う。
さらに本気で将来は中国に渡り、中国にいるまだ見ぬ中国武術の達人に弟子入りして学びたいと考え、学校で中国語が出来る先生(確か国語の先生だった)から中国語まで習っていた。
私の行動力を高めたのもこの時期であることに今更ながら気づいた。

さて、高校1年生の4月くらいまで続いたと書いたが、これだけ熱中していたのになぜ止めたのか?
単なる飽きではない。
受験の時、休んだからといって飽きたなら、再び練習しようとはならないだろう。
一言でいうと独学我流の限界を感じたからだ。
久しぶりに練習した時、毎日走り込み、毎日震脚という強く踏み込む動作をしていた頃と同じくらいの強さで練習したら、身体がなまっていたこともあり、足首を痛めてしまったのだ。

しばらく、痛くて運動どころでなくなり、学校に行くにも難儀していた記憶がある。
その休んでいた時にやはりきちんとしっかりした指導者の元で練習しないと功夫がつかないとがっかりしたし、反省したからである。
(ここでの功夫の意味は正しい方法でこつこつ練習した結果身に付く武術的威力や技、身体のこと。)

八極拳は結論から言うと、その後の人生で正式に学ぶことはなかった。
また違うものにこの後出会い、そちらの方向に向かった結果、何回か八極拳をしている方々と交流はあったが習おうとするまでには至らなかった。

→4に続く。


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