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経験した武道、武術について6

受験が終了し、大学進学が決まった後、私は気が楽になり、卒業までの間早速アルバイトを探し始めた。

服や様々な物を買いたかったこともあるが、他の理由としては様々な道場を見に行く交通費が必要だった。

大学は実家から通える圏内であった。
しかし、これまでの高校生活に比べれば、非常に広範囲の行動となる。
したがって、今までは通うことが無理な道場の内、通うことが可能となる場所も増えたため、大学生活が始まるまで色々な道場を見に行こうと考えたのだ。

形意拳は当然習いたいと思っていたが、他の武道・武術もこの際見ておこうと考えていた。

この時期見学したものは以下の通りである。
・心月無想柳流柔術、伯耆流居合術
・梅花蟷螂拳
・心意六合拳
・太極拳協会式陳式太極拳
・武壇式八極拳
・渋川流柔術
・大東流合気柔術
・功朗法(こうろうほう)
・八卦掌

上記の道場は見学だけの所が大半だが、中には練習に参加させてくれたところもあったし、見学者同士を戦わせてから、道場生との組手をするところもあり、なかなか良い体験ができた。
なお、見学はこれだけだが、調べた道場はたくさんあり、見学不可とする道場や現在は教えていないなどの道場もあった。

色々楽しい時間を過ごしている内に高校を卒業し、大学に入学となった。
大学ではツーリングサークルが面白そうなので入り、バイクは持ってなかったが先輩方と一緒に出掛けたり、クラスでは友人が何人かできてカラオケに行ったり、アルバイトも飲食店で働き、他所の大学の人と飲み会等交流があり、それなりに大学生活やプライベートは充実していた。

とはいえ、まだ習いたいところが見つかっていなかったので、心は満たされていなかった。
色々見たが、やはりやりたいのは形意拳だった。
しかし、道場が見つかってなかったのだ。

諦めずにすき間時間にコツコツ探す毎日であった。

そうして、大学生となって、そろそろ夏休みが近づいてきた。
夏休みは何をして過ごそうかと考えていた頃、ふと立ち寄った本屋で、とある雑誌が目についた。
武芸という季刊誌だ。
もちろん中国武術がメインの雑誌だ。

武芸1995年夏号
内家拳特集
内家拳の達人王樹金老師の関連者特集
目次
内家拳特集の記事

今思えば、これも縁であり運命と言って良いかもしれない。
この本は地元の本屋になく、この時、都会の大きな本屋に寄った際見つけたのだ。
(もちろんマニアック過ぎて、地方の小さな本屋では仕入れても売れない可能性が大のため、尚更見つかりにくい。)

そしてたまたま見つけたこの武芸1995年夏号に、正に習いたいものが書いてあった。

形意拳は前に達人を幾人も輩出している流派と書いた。

この本に出ていた王樹金老師は日本の内家拳の最初の伝道師にして、内家拳の達人である。
王樹金老師の紹介→https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E6%A8%B9%E9%87%91

王樹金老師の武勇伝もいくつかあるが、それよりも大事なことは、王樹金老師の形意拳の伝承がしっかりしており、形意拳の全てを学ぶことが出来ることである。
この王樹金老師の流派を学んでみたいと思った。
ちなみに流派の道場はこの武芸の道場一覧に載っており、すぐに連絡を取り後日見学に向かった。
間近で見た道場生の動きや練習内容、カリキュラム、指導員から色々話を聴きながら、その技をかけてもらったり、発勁を受けたりと実に嬉しさと楽しみでものすごく興奮したのを覚えている。
そして、その見学後、すぐに入会することになった。
実に高校1年から形意拳の魅力を知ってから習うまで3年経っており、これほど想い続けるものがあったのは我ながら驚きである。

この入会した流派だが、内家拳を教えており、習う順序が決まっている。
①正宗太極拳
②形意拳
③八卦掌

内容はかなり膨大で、全てを学ぶには非常に時間がかかる。
また段位もあり、段位ごとに修める技術や套路がある。
最後まで学ぶのは全練習会員の中でもかなり限られるだろう。
ちなみに套路だが、空手でいう型のようなものだが、少し意味が違う。
套路とは↓

この流派での練習は大学1年から入会し、その後色々あって退会するのだが、約10年以上続いた。

大学生から社会人と長く続くのだが、学び始めた後から、やめるまでは次回に記す。

→7に続く。



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