イライラ怒鳴る”できる”上司。ニコニコ優しい”できる”上司。どっちになる?
「あまり怒らないですよね。見たことないです、怒っているところ。ま、厳しいことというか指導はされてますけど怒らないですよね。私、どうしてもイライラするというか怒っちゃうのですよね。自然にというか。それに明らかに酷い目に合わされたら、目には目を、って思っちゃうんですよね」
「あぁ、そうなんだ・・・。ボクは怒るのがとにかく嫌いなんです。怒った後、どうしたらイイかわからないし、怒るっていうのが自分を制御できないようで嫌なんです。だから、嫌いなこと、普通は自分からあまりしないですものね。。。レバーが嫌いだから食べないです。と同じかな」
「いや、でも、喜怒哀楽って、コントロールできない、ものではないですか」
「どうなんだろう。制御できるような気がするけど。もちろん自分の感情や身体を制御できないことは多々あるよ。怖いとか、ビックリするとか、緊張とか、真っ白になるとか、ドキッとするとか。心が勝手にそう思うし、身体も勝手に反応しちゃう。でも、例えば、お笑い芸人のネタを見ても笑わないように我慢するチャレンジがあったら、普段より笑わないようにがんばれるよね。怒るのは制御できると思うのよね。同じかなと」
「そうなんですかね。。。とても難しいような気がするなぁ。。。生まれつきなのかしらね」
「うーん、ボクは昔は短気だったよ。よく短気だね、って言われてたし。頻繁にイライラしていた気がする。だから年齢もあるのかな。つまり、慣れ、かな。イライラさせられ怒らされることが、繰り返されたら、慣れて、怒らなくなる気がしない? 同じネタを何度も聞かされたら、笑わなくなるよね。慣れ、かもね」
「うーん。不快やイライラは慣れない気がするなぁ。。。あ、自分が不当な目にあっているのではなくて、例えば、恋人とか大切なひとが酷い目にあっているとか、愛する子供がいじめられているとか、こんな怒るべき場面になったら、怒るのですか?」
「うーん、どうだろう。。。みんなが怒るべきと一般的に思う場面でも、怒る必要なく解決できると思っちゃうんだよね。怒ることに抵抗があるからだけど。。。違う方法を模索する気がするなぁ。。。冷静である方が解決に近づけるという思いが強いかな。勘違いかもだけど。。。怒ることが最善の、最短の、解決でない可能性もあるものね。。。」
「はぁ、そうなんですね。落ち着いているのですね。瞬時に怒って行動しちゃいそうです。でも、そんな対応だと、子供達や恋人、家族を本当に愛しているの?なんて言われそうですけど、大丈夫ですか」
「まぁ、現実にそんな場面がまだ無いからわからないけど、でも、怒らないではなくて、怒れない気がするな。もはや性格ですね。瞬時に怒って行動することばかりしてきたひとはそれに訓練されているからできると思うの。ボクはもう長きに渡ってそれを訓練してないからできないのよ。落ち着いているとかではなくて、できない、だけかな。例えば、役者になって、瞬時に怒るシーンがあったらできると思うよ。練習するからね。あ、そんな撮影の後に、実際にそんな場面に実生活で出会ったらできるかもね。ということで、訓練していないからできない。訓練したらできる。そんなもんかな」
「でも、怒らないと相手がわからない、理解しない、行動が変わらない、ってことないですか?」
「うーん、それがね、そういう風に思えないのだよね。原則、怒らなくてもわからせられると思うし、怒って変わったとしても、怒って変わらせるということ自体が、知性が無いというか、暴力的というか、嫌なんだよね。怒らないと相手が変わらないならしょうがないと受け入れて、別の手段を取るかな。。。」
「そうですかぁ、何かきっかけがあったのですか?」
「そうねぇ、社会人になって怒り狂っている上司に出会って、あんな人間には落ちたくないと思ったのだよね。あと、そんなレベルの低いひとの言動で自分の感情がコントロールされるのは、つまり他人に自分がコントロールされているということだから、自我もないし、単なる操り人形だ、と思ったんだよね。奴隷は嫌、と思ったの。上司の言うことは聞くけど、そこに行動の自由は無いけど、でも、思考の自由は確保したいかなって。で、嫌になったのよ、怒るのが。それに、現象にだけ目が行くのは知性が無いというか短絡的というか、格好悪いと思ったの。その原因とか背景を想像するのが素敵かなと思ったんだよね。上司がイライラしているのは家庭で奥さんと喧嘩したのかな、とか、子供に無視されたのかな、とか、寂しいんだね可哀想に、なんて想像する。とにかく、イライラ怒り怒鳴るできる上司より、ニコニコ優しくできる上司になろうと決めたのよ」
「いやぁ、そんな色々考える余裕ないです。ムカついたら、怒る。それだけですから。。。」
「でも、それで自分が幸せならそれでよいのでは。怒るひとも、怒らないひとも、それぞれに幸せ。あ、でも、それに対峙するひとが幸せかはわからないけどね。自分が変えたいなら変えようとしてみればいいし、現状でいいなら、現状でいいと思うよ」
「あ、ですね。今は、怒らないとストレス溜まりそうですから、なんか変化があったら、また、お知らせしますー」
怒る、怒らない。イライラする、イライラしない。怒鳴る、怒鳴らない。欠点ばかり指摘する、長所に焦点して褒める、などなど。自分はどっちが心地良い? と同時に、相手はどっちが心地良い?も合せて考えたい。
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(v10_42)