犬が家に来てから機能不全家族を卒業した話
うちは機能不全家族でした。家族だけど、よそよそしいし仲も悪い。そこそこ崩壊した家族関係でした。
1日のうちに父との会話は一回あるかないか。父親は短気でよくキレる。父と母はよく喧嘩をし、親子間の信頼関係はゼロ。
母は15年以上心療内科に通っており心配性。子離れができてないのか何かと干渉してくる。それを毛嫌いする息子。
兄は自殺して他界。
息子(自分)は兄の自殺による心の傷を誰にも頼れずPTSDを発症、ときどきフラッシュバックで精神的に荒れる。
7年前はこんな感じだった。
根本的な問題はたぶん2つくらいに絞ることができて
・ 父との信頼関係が築けてなく、母・息子ともに不信感が強かった。父は家庭に居場所がなく常にピリついている。
・ 兄の自殺後、母は心の居場所をなくし、息子にすべてを投影。息子は頼るところなく重荷に耐えきれず自壊。
結果的に仮面家族のようなギコちない関係性で生活してた。
当時は祖父もいて、祖父がある意味では潤滑油のような存在だったと思う。一番当たり障りがなかったし。
僕と母との関係では仲が悪いって感じではなかったしむしろ味方でいてくれているという安心感はあったけど、なにかと重荷だった。応援してくれているようで押し付けられているような、とにかく心配され過ぎて自由にやらせてほしいっていう気持ちだった。いや、それなりに自由にやれていたと思うけど。
祖父が倒れて、その均衡が崩れた。
ただでさえピリついていた関係に、祖父の介護という重荷が僕らを一気に険悪にした。
20歳そこそこの僕はまだまだ自律できておらず、介護といってもなにをしてよいのやら。母は足が悪く全面的には介護に参加できない。父は仕事もしながらじゃ介護も難しい。
僕はこんなときこそ大黒柱として父が取り仕切るべきだと責任放棄した。都合のいいようにした。
とはいえ信頼関係のない家族。いままで取り仕切る経験もなくはじめての介護に直面するなか、そう上手くいくはずもなく。フラストレーションのたまる父。
毎日は言い過ぎだけど怒りのオンパレード、喧嘩が続いた。
みな精神的に疲弊していた。
そんななか祖父が亡くなり、僕は家を出ることに。
参考:不仲だった父親から家出して復縁した話(1)
僕が家出したことで、家族内のフラストレーションがひとつ減り、父親との関係も鎮火した。
でも母親のメンタルはけっこうやばかったらしい。
週に一回は一人暮らしのマンションに来てたし、元気もあまりなかった。
そんな母を心配した父親が(なんだかんだ父は母を愛してた)、母をペットショップに連れていったらしい。
父は仕事帰りによくペットショップに寄っていたらしく、可愛い子が売れ残っていたから、ということで母にも見てもらったらしい。
「この子なら」ということで、うちに子犬がやって来た。
その事実を知らない息子。実家に帰ってきて驚いた。
「またなんかやらかしたな?!」
でも犬が来てくれてよかった。
母親はすぐに元気になった。日に日に元気になるのがすごくわかった。もともと犬は好きだったらしい。
僕も犬がいるということで実家に帰る日が増えて、家族とコミュニケーションをとるようになった。
父はもう溺愛してて、あんなに子育てに無関心だったはずが犬の子育てを語りだすほど夢中になってた。仕事から帰ってくればすぐに犬とじゃれあい、無邪気にはしゃいでた。父もまた明るくなっていった。
犬がいることで家族内の会話が増え、共同作業も増えた。
犬がいることで笑顔が増え、笑うことが増えた。
その積み重ねが徐々に徐々に信頼関係へとつながっていった。
みながみな嫌な思いしかしてなかったんだって思う。
犬がうちにして4年。父とは腹を割って話すこともできるし、頼ることもできるようになった。父から頼まれることもあるし、雑談も多くできるようになった。
父と母はあいかわらず喧嘩をすることもあるけど、それでも楽しく暮らしている。まあここには犬以外の理由もあるけれど、犬がいることで、家族が大きく変われた。
今回に関しては父の母への愛が家族を結びつけたとしか言えない。
いつもありがとう。ココちゃん。
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