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第1話 東京メトロン人間、山形に住む

みなさんこんにちは。墓穴掘男です。

久々にnoteでも書きたくなったので、心の思うままに綴りたいと思う。

前略、というわけで本題に入るが実は訳あって10年住んだ東京を引越して山形に永住することになった。

細かい話は何か機会があればまたnoteにでも綴っておこうかと思うが簡単にいうと「家庭の事情」だ。
まさか自分の人生で家庭の事情を理由に地方に移住することになるなんて思いもしなかった。
東京の街に住み始めた20代から30代までは自分でいうのもなんだが割と苦労が尽きない生活を送っていた。

6畳一間のボロアパートに住みながら、仕事をして技術や経験を得た。金がない時は親に迷惑をかけまいとお金を借り、返済ができない時にはまたお金を別から借りて意味のない借金を重ねた。

奥さんに出会う前までは、金もないので、ろくな女には出会えず、出会った女はヒステリックやねずみ講、彼氏がいることを隠されディズニーやご飯を奢らされた。

同世代に比べれば息苦しい東京生活だった。
初めて東京に引っ越した時はそんな将来になるなんて思ってもいなく、不安もない、夢に向かってギラギラとしていた気がする。

誰も知らない東京で型のはまった自分を壊して殻を破り、誰かに影響を与えるような存在になりたいとまで考えたこともある。

その結果この10年で感じたことは、
「東京は俺1人だ」ということだ。

家族や同級生、親友、会社の同僚、後輩、先輩、近所の人、ネットで繋がった人色んな人と出会い、そして別れてきた。

東京は出会いと別れのスピード感がおかしい。新しい物が生まれてはすぐ出荷されるが如く工場のレーンに乗っているようだった。

しかし、繋がりが全くないわけではない。ありがたいことにこの10年出会った人の中でもいまだに連絡をくれる人たちもいる。

それでも不思議と孤独に感じてしまう夜は数えきれなかった。

最初はその原因が肌の温もりが足りないからなのかとも思った。風俗やメンズエステなどでその原因を埋めようと考え、いざゆくとポッケと心は返って虚しさが増すのであった。

誰かと一緒にいようとも結婚しようとも子供が産まれようとも、ふとした時に孤独感は満たされることもなくまだまだやってくる。
そしてまた誰かと出会うことで満たされようとする。

まるで幻術にかかっていて洗脳されている気分だ。「ウルトラマンセブン」の敵キャラにはメトロン星人という怪獣が登場するが、当時人間の多くがタバコを吸っていてそのタバコに幻覚成分を混ぜて、人間を信用できないように混乱させて地球征服を目論むというなんとも遠回りな宇宙人ではあったが、自分は当に洗脳されたのかもしれない。

もはや、そうであって欲しいとまである。
メトロン星人の麻薬が東京に漂うことで、ドーパミンが分泌されているから、それが切れた時に孤独を感じているというところまであって欲しい。
そこまでいってくれるなら堂々と自分はメトロン星人に侵されたメトロン人間として地球と共に滅んでみせるのだが。

山形に行くのは、そんなメトロン人間(東京に当てられた地方民のことを一旦そう呼ぶとする)な自分を「かたどる」ためと思っている。

「かたどる」は漢字で「模る」ともいい、模写、模倣、模擬するとも類似するが、東京でやってきたことの答え合わせをするために山形に赴くつもりだ。

果たして東京で過ごした苦労や孤独に意味はあったのか?

殻を破る、型にはまらない何者かになりたくて飛び乗った東京行き夜行バスは、自分の外殻を確かめ、自身の型を見つめ直す新幹線山形行きにたどり着く。

東京の親友がバンドマンになり、音楽を創っている。
その親友の「東京」のタイトル曲を聴いてつい先人の「東京」の名曲たちと比べてダメ出しをしてしまった。

その際にはじゃあ、「東京」の歌詞を創ってみてくださいと怒られた。

確かにその通りだ。
いま、「東京」の歌詞を制作途中であるが、
最初の文は言われた時からすでに決まっていた。

「I'm lonely lonely lonely Only night.」

それでは今日はこの辺で
さよなら、また今度ね。

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