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詩以外のなにか
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#詩論

断罪しない言葉のための詩論

はじめに本論は私の個人的な詩作の方法、つまり言葉との付き合い方についてまとめる試みである。この方法によって私は詩を読み書きすることを許された。またこの方法によって、たくさんの怒りを葬った。この方法自体は人類にとって既出のものだが、ここに記載する意義はまさしく、本論が私の個人的な実感を伴っていることである。本論の根底にあるものを導出することに要した時間、その苦悩を踏まえると、この実感はひとりの人間の

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詩の価値について

詩の価値について

してきたことの総和がおそいかかるとき
おまえもすこしぐらいは出血するか?

堀川正美
『新鮮で苦しみおおい日々』

詩とは何なのでしょうか。

僕は詩が何であるか、その答えを知りません。詩は、近づけば離れていってしまい、離れれば突然迫りくるような運動です。そのため僕は、永久にそれが何かを知ることはできないでしょう。そんな得体の知れないものに、何故か惹かれてしまうのは、殊に現代においては、詩に対して

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