いい店といい人は呼び合う
世の中ホントにいろんな人がいます。誠実で純粋でまっすぐ求めるものに向かっていく人もいれば、特に深くも考えずにフラフラとしてる人も。良い人もいっぱいいるけど、悪い人もいっぱいいる。世の中50/50(フィフティーフィフティー)ですから、こればかりは誰が文句を言っても仕方のないことだと思います。
いいお客さまってどんなお客さま?
数年前にあったことです。僕はピラティスのインストラクターとして、とあるスタジオに雇われていました。小さなスタジオなのでひとつのグループレッスンが抱えられるお客様の定員数は5名。完全予約制でした。
たった5名なのですが、それでも安定して5名満員の人気クラスにするには数年掛かり「いつものお客様」とは本当に仲良くなれて、時間を掛けて「お得意さま」になっていただきました。
そしたら「某・体験チケット販売会社」なるものが突然、出現しました。世の中の仕組みを良くしようとされていたのでしょうが、僕は大変苦しい思いをさせられました。
その会社は「提携したお店(飲食・レジャー・フィットネス)の体験料金を一律した共通チケットでどこでも使えるようにする」つまり、その会社の商品券で、どのスタジオでも格安で体験レッスンを受けられる。
要するに「つまみ食い目的だけの人」が、フラ〜っとお店に入ってくるということです。
先に言っておきますと、ピラティスを受けに来る人って「ある程度ピラティスを知って」「ある程度自分の体と向き合っていて」「ある程度の志し、目標を持っている人」が多いです。そしてもちろん「ある程度のお金を払ってでもちゃんと頑張る人」が「お得意さま」になってくれます。
そこに「ピラティスってなんやぁ〜?」みたいな人がガヤガヤ入ってくるわけです。
そんな次元の人がピラティスを受けたりすると、開始5分も経たないうちに「きっつぅ〜(汗)」「つまんね〜(怒)」「帰りて〜(怠)」となるのは必然。他のお客様に負のオーラが飛散します。
それでもこちらは誠意を持って、良いと信じることを伝えようとしても「うるせ〜なぁ…あっち行けよ!」みたいな顔をされることもありました。
そして「安いし面倒な手続きがないから」と次から次へとドンドン押しかけてきて、お得意さまたちは一人…また一人と姿を現さないようになりました。
その「某・体験チケット販売会社」は結局、金の回りが採算合わなくなって、あっという間に倒産。風のように現れ、風と共に僕の「お得意さま」を奪い去っていきました…とさ。
「たくさん客が来ればいい」という目的だけでは、いいお店にはなれないのでしょうね。
いいお店には高い志しが必要
どんなに有名で、どんなに大きな会社やお店でも、最初は絶対に「一人の創始者が高い志しを持った小さなスタート」だったはず。それから徐々に賛同する人が増えて、お店に訪れる人や商品を購入する人が増えて…「いいお店」だったら、やっぱりいい噂が広がって、自然と大きく成長していくものです。
でもお店が大きくなれば、一人では回せなくなってくるので、協力してくれるパートナーや従業員も増やしていかなければなりません。
そして関わる人が増えれば増えるほど、やはり「よろしくない人間」も混じってくるんですよね。
創始者がどんなに清らかな心の持ち主で、ココ掘れワンワンと鳴くポチを連れている「花咲かじいさん」だったとしても、やはり近くに「悪いじいさん」は住んでいるものですね。
だから一概に「有名で大きなお店」が必ずしも「いいお店」だとは言えないんですよね。
じゃあどうすればいい?
僕には具体的に「いい答え」は分かりません。
世の中いろんな人がいるし、お客さまは人間。お店を経営しているのも人間です。
だから「会社、団体、お店」とかの組織が、自分一人ではどうにもできない、自分には無関係な「人の塊り」として見るだけじゃなくて
やはり「目の前の人ひとりひとりに」志しを持って、情熱を込めて、接することを忘れないようにする。
じゃないかなぁ〜と思います。
to be continued...
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