映画「海の上のピアニスト」を観て
3月2日、「海の上のピアニスト」という映画を観た。
原題は「La leggenda del pianista sull'oceano」。1998年のイタリア映画で、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品だ。
キャストは、1900役のティム・ロス、マックス役プルイット・テイラー・ヴィンス、少女役のメラニー・ティエリーなどである。
あらすじは、
といった内容。
で、観終わっての感想。
無限の鍵盤で人間が弾ける音楽はない
「鍵盤の数は88と決まっている。無限ではない。弾く人間が無限なのだ。人間の奏でる音楽が無限。無限の鍵盤で人間が弾ける音楽は音楽はない。」
この言葉が、ボクには刺さった。
要は、限られた世界の中で生きる人間こそ、無限の生き方ができる。「どんな状況下でも、人の生き方次第で人生は無限に広がる」ことを伝えたかったのではないかというセリフである。
人は生きている状況下で、その環境に嘆き、言い訳にする。
どんな環境に生まれようとも、自分の生き方次第で無限に人生は変えられるのかもしれない。
陸に降りなかった「1900」
1900は、陸に降りようとしたことが一度だけある。
でも、タラップの途中で立ち止り、しばらくそこで街を眺める。
そして、結局陸に降りずに、そこから船に引き返す。
のちに、親友のマックスに、その時の気持ちを伝える。
「あの大きな街には、終わりがなかった。」という言葉だ。
終わりがあるからこそ、人は進んでいける。
彼にとって、終わりのない世界ほど怖い世界はないのかもしれない。
船はアメリカとイタリアの間を航海する。
そこには必ず終着点がある。
ボクらの生きる生活の中で、終着点とはいったい何なのか?
それを考えさせられるシーンである。
結局、1900は、船から降りず、船の爆破とともにその一生を終えることとなる。
ジャズピアニストとの対決シーンがたまらない
この映画の中で一番の見どころは、ジャズピアニストとの対決シーンだ。
観ていてすごく楽しいし、1900の行動がかっこいい。
煙草を、演奏で熱くなった弦でつけるシーンは、面白すぎた。
とにかくこのシーンが、この映画で最大に盛り上がるシーンだと思う。
マックスとの友情
この映画の中で、1900のことを回想するのが親友のマックスである。
マックスが1900と出会ったのは、嵐で海が荒れる船の中。
そこで、船酔いもせず悠々とピアノを弾く1900。
さらに、ピアノの車止めを外して、ピアノを弾く。
まるでピアノが、船の中をダンスしているように動く。そこで、軽やかにピアノを奏でる。マックスも彼の横に座りそれを体験する。
その出会いから、2人の友情は深まってゆく。
映画の中では、マックスの回想が、1900という人がこの世の中に存在していたことを、明らかにしてくれる。
人は、それぞれの人生があり、誰かの記憶の中にずっと生き続ける。
その記憶をする人がいなくなった時が、本当の死かもしれない。