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映画「小説家を見つけたら」を観て

9月15日、「小説家を見つけたら」という映画を観た。2000年のアメリカ映画で、原題は「Finding Forrester」。ガス・ヴァン・サント監督の作品だ。

キャストは、ウィリアム・フォレスター役のショーン・コネリー、ジャマール・ウォレスロブ・ブラウン、ロバート・クロフォード教授役のF・マーリー・エイブラハムなどである。

ニューヨークの下町ブロンクス。文学の才能を持つ16歳の黒人少年ジャマールは、友人たちにそそのかされアパートの部屋に忍び込んだが、そこにリュックを忘れてきてしまう。後日、戻ってきたリュックの中にあった創作ノートには赤字で批評がされていた。
部屋の持ち主の老人は、フォレスターという小説家だった。処女小説でピュリツァー賞を受賞し、次回作を期待されながら姿を消した謎の人物だ。ジャマールは彼に興味を持ち、作文を持ち込んで強引に添削を頼み込んだ。
成績のいいジャマールは、有名私立高校へ学費免除で転校したが、教師のクロフォードはジャマールを嫌い、急速に上達していく文章力を疑っていた。学校の作文コンテスト用にフォレスターの部屋で書いた文章を提出するジャマール。だが、その文章は練習用で、タイトルと冒頭部分が、フォレスターの古いエッセイの写しだったのだ。それに気づいたクロフォードは盗作と決め付け、ジャマールは退学の危機に追い込まれた。
作文コンテストの当日、学校に現れるフォレスター。ジャマールを友と呼んでその危機を救ったフォレスターは、故郷のスコットランドに旅立つと宣言した。やがてジャマールの卒業が近づいたある日、弁護士がフォレスターの訃報と遺品を持って現れた。フォレスターは新作の小説を書き遺したのだった。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

小説家との出会いが才能ある少年を変えてゆく

黒人少年ジャマールは、下町で友人たちと野外にあるバスケットボールを楽しんでいる。決して、品があるとは思えない黒人の少年たち。
そんな彼らが、ある日アパートの一室から自分たちの姿を見る人影を見つける。ひょんなことから、ジャマールはこの部屋に侵入することとなる。しかし家主と鉢合わせ、自分のカバンを忘れて逃げ出してしまう。
その中には、彼の文才を思わせるノートが入っていた。そのノートに添削する家主のフォレスター。少年との接点が始まるのだ。

少年のひた向きな姿に、心を開いてゆく小説家

頑なに人との接触を拒んできたフォレスター。
そこに何度も訪れるジャマール。
その繰り返しが、ついにフォレスターがドアを開けるきっかけとなる。
フォレスターは少年に、文章の書き方を独自の方法で教えてゆく。
徐々に、ジャマールはその才能を開花させてくる。
そして、名門私立校の学費免除を勝ち取るのだ。
学校内では、バスケットボールの才能と文章の才能が開花してゆく。
しかし、その分際に疑いの目を持ち始めるのが、クロフォード教授である。
彼はことごとく、フォレスターの才能を疑う。そして、反抗した彼を退学に追い込むのだ。

小説を書かなくなった理由がわかってきた

ジャマールとフォレスターは、年齢や人種をこえた友情を持ち始める。
ジャマールは、フォレスターを外出に誘う。兄に頼んで、誰もいない夜中の野球場を訪ねる。そのような中から、フォレスターがなぜ小説を書かなくなったかを知る。兄弟が生死をさまよう中で、病院関係者から小説のことを話題にされた彼は、その後二度と小説を書かなくなったのだ。

最後は映画「セントオブウーマン」を思わせる

ジャマールの退学が濃厚になる中、作文コンテストの発表中にフォレスターが現れる。そしてそこで、フォレスターは飛び入りで文章よ読むのだ。
その文章に会場の誰もが、拍手を送る。
そこで、読んだ文章がジャマールのものだと明かす。クロフォードは、自らの自我を通そうとするが、周囲はそれを阻止する。
ジャマールはこれにより、退学は無くなるのだ。

このシーン、どこかで観たような・・・。
そうだ、映画「セントオブウーマン」のラストシーンに似ている。
でも、一発逆転のシーンで、鑑賞者にとってはスッキリする。

フォレスターは故郷のスコットランドへ旅立ってから、しばらくして弁護士が訪れる。フォレスターは、小説を書いてから亡くなっていた。
ジャマールとの出会いが、フォレスターに最後の小説を書かせたのだ。

人と人との出会いが人生を大きく変えることもある。
そのように感じた、今作品だった。

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