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雨が奏でるメロディー

雨が好きだ。雨の匂いが好きだ。置き忘れるのが不安なので高いものは買えないけれど、お気に入りの傘を差して出掛けるのが好きだ。

霧雨は少しだけ、つまらない。傘を叩く音がとても静かだから。霧雨は「聴覚」ではなく「視覚」で楽しむ雨だと思っている。

傘を叩くリズムを聴きながら、水たまりを避けて歩く。雨のおかげで初めて足をおとす場所。真っ直ぐ歩けなくても、「人生」そのものみたいだと思えば愛おしくもある。

雨は、たのしい。

映画や本には感情移入して泣けるけれど、自分の苦しさつらさや悲しさで泣くことが得意ではないわたしの代わりに空が泣いてくれる。雨という涙を眺めていると、心の中のモヤモヤが少しずつ晴れてゆくように感じる。

雨は、やさしい。

地面に吸い込まれてゆく水滴、落ちるときの音。冷たくて仄暗くて、音はするけれどとっても静か。世界が丸ごと包まれてしまったかのように。

雨は、うつくしい。

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雨音をBGMにしてこのnoteを書いている。ぱたぱたと規則的ななリズムが心地良い。もちろん、不規則なリズムの雨も好きだ。

音楽をとめて、イヤフォンを外して、今夜は空からのメロディーを聴いていたい。



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