碧 (indigo.)

記憶と記録と、そのときに紡ぎたい言葉たち。精神科13年生の天秤座。本と音楽と文房具とがすき。

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小さなおまじないを指先に

軽く爪の手入れをして、マニキュアを塗るようにしている。不器用な素人なので凝ったデザインはできないし職業柄あまり派手過ぎたりあまりにも長過ぎる爪ではいられないけれど、指先が華やかだと頑張ろうって思えたりする。よく目に入るパーツだからね。 心身の不調時は出来ないので「なるべく」習慣にしていること、だけれども。 - - - - - 江國香織さんの「ホリー・ガーデン」の主人公のひとりである果歩(もうひとりの主人公は"静枝"という)の台詞がきっかけで、マニキュアを塗ることを始めた。

    • 頭、つかってますか?

      涼しい部屋でスマホ、しあわせ。 特に後者はどんどん時間が溶けてゆく。 外の暑さで自分を溶かす代わりに(?)、快適な環境で無駄に時間ばかりを溶かしていってしまう。 読書をすることもあるのだけれど、 「この夏何してた?」に 「スマホ眺めてた」と答えるのは流石に…と思い、 少しだけ頭を使ってみることにした 数学の復習も英語のクロスワードも、どちらも書き込み式でノート等が別に必要ないのが手軽で良い。 道具もペンが1本あれば済むところも、良い。 塾の講師を辞めてから退化の一途を

      • 親友を失った日、プロポーズ

        男性が苦手だ。スポーツにもゲームにも漫画にも殆ど触れることなく育ち、ひと学年に400人程居た女子校で3年間過ごしたからなのかもしれない。それから、兄弟が居ないせいもあるかもしれない(姉妹、妹がひとり)。物心ついた頃から、友達はみんな女の子だった。 進学した大学の学部学科は、圧倒的に男性の比率が高かった。知ってはいたけれども、「男の子と話さなくてはいけない」という状況に震えていた。幸い(?)、共学校出身の友人たちが間に入ってくれたりしたので半分くらいの男子陣とは会話ができた、

        • "かわいい"と"おいしい"の共存

          大学進学と共にひとり暮らしを始めるまで、料理なんて殆どしなかった。せいぜい、野菜炒めと炒飯とクッキーくらい。今でも決して料理は得意なほうでもないし、上手くもない。そもそも子供の頃から「食」にそこまで興味や執着や拘りがないので、プロテイン飲料やサラダチキンで済ませてしまうこともあるし、なんなら"食事"が面倒すぎて飛ばしてしまうことすらある。 だけど、料理をすること自体は、嫌いではない。むしろ好きなほうかもしれない。 - - - - - - - - - - "かわいいもの"が

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          全てが"いまのわたし"に繋がる線

          自他ともに認める"強気"なわたしが"弱気"になって、「もうどうなってもいいや」と人生を投げ出しかけた。そんなときに親友の言葉に背中を押されて、社会と関われるようになれた。そんな、話。 - - - - - - - - - - - - -  高校時代はよく「気が強い」「怖いもの知らず」等と両親や友人達や学校の先生方に言われていた。実際に自分でもそうだったと思う、特に勉強面において。 県内一の進学校に受かり田舎から通い(当時は学校がある市内の受験生をとる割合が多かったので市外

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          オレンジ色、初めての小さな実

          マンゴーといえば宮崎県だろうに、なぜ群馬県のフレーバーなのか疑問に思ったので調べてみた。 県花の「レンゲツツジ」のオレンジ色を表現しているらしい。名産品より、なんだかオシャレ。(…と、フレーバー化できるほどの名産品や特産品がないから負け惜しみのように言い聞かせている。) 県内のフラワーパークで、今年開園後初めてマンゴーの花が咲き小さく実っているというニュースを目にした。見に行きたいな。 甘酸っぱくて爽やかで、おいしかった!

          オレンジ色、初めての小さな実

          嫌ったら「好き」が出てきた

          運動が苦手だ。「苦手」という表現では足りないくらいだ。学生時代、体育の時間は地獄でしかなかった。得意不得意は誰にでもあるからいいじゃん、では片付けられなかった。わたしの運動音痴っぷりは、本当に本当に酷い。 ペーパーテストは隠せても、運動音痴は隠せない。晒し者だった、と言ってもいいだろう。 「うちのチームは碧がいるから最下位だ」と言われ続けたリレー、「碧はいらない」と言われたサッカーのチーム分け、たくさん舌打ちされた長縄跳び、「真面目に走れ」と怒られたマラソン大会。 背の順

          嫌ったら「好き」が出てきた

          日傘ガール

          あの惑星に住むウサギはきっと 物事の道理なんて知らないはず どしゃ降りの雨音は僕の味方 誰にも見てもらえない星達に同情なんてしない 視線が一本の線で結ばれて そのとき 僕は君をみた 同時に  君も僕を見た たったそれだけのこと 今日いちばんのしあわせ すぐにこぼれ落ちてしまいそうなちっぽけな出来事 でも 決してなくすことはないであろう僕の記憶 「好きだから」話し掛けられないんだ

          日傘ガール

          ありがちで特別な紫の夜を越えて出会えた奇跡と痛みがこの胸に溢れてる

          3月25日、わたしの人生の半分以上を占めているスピッツのメジャーデビュー30周年記念日。大切なことはスピッツが教えてくれた、と綴っても過言ではないと思う。 優しい声と力強いサウンド。すっと、とても自然に耳に入ってきて全身を掛け巡る。体中が、スピッツになる。全ての細胞が、スピッツを求める。変拍子がこんなにも心地よいなんて本当に不思議。 - - - - - 君と出会えた奇跡がこの胸に溢れてる これは、「空も飛べるはず」の歌詞。スピッツといえば「空も飛べるはず」か「チェリー

          ありがちで特別な紫の夜を越えて出会えた奇跡と痛みがこの胸に溢れてる

          ゆっくりと、早く流れてゆく時間

          約2ヶ月半振りに恋人と会えた。時の流れが穏やかで緩やかだったけれど、時間はあっという間に過ぎた。 今日に限らず、現在交際している恋人と過ごしてきたのはいつも「ゆっくりで早い時間」だった。不思議。生き急いでいなくて焦っていない者同士だからかな。 - - - - - 「文字通り"あっという間"だったな」 「なんだか長かったな」 「ゆっくりだけど早かったな」 誰かと過ごしたあとの感想は、この3つにわかれる。相手が忙しくせっかちか、たくさんの事柄が詰まり過ぎているか、充実と平

          ゆっくりと、早く流れてゆく時間

          雨が奏でるメロディー

          雨が好きだ。雨の匂いが好きだ。置き忘れるのが不安なので高いものは買えないけれど、お気に入りの傘を差して出掛けるのが好きだ。 霧雨は少しだけ、つまらない。傘を叩く音がとても静かだから。霧雨は「聴覚」ではなく「視覚」で楽しむ雨だと思っている。 傘を叩くリズムを聴きながら、水たまりを避けて歩く。雨のおかげで初めて足をおとす場所。真っ直ぐ歩けなくても、「人生」そのものみたいだと思えば愛おしくもある。 雨は、たのしい。 映画や本には感情移入して泣けるけれど、自分の苦しさつらさや

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          「ありがとう」なんて口が裂けても言わないけれど、いじめられた側でよかったよ

          友達をつくるのが怖くなったのは、小学校高学年の頃だった。思春期の女の子たち特有ののドロドロしたものと、男子たちからのいじめ。運動音痴ゆえ体育の授業では毎回何かしらの悪口を浴びせられ、「ブス」と聞こえるように陰口を叩かれた日々。もちろん庇ったり否定したりして仲良くしてくれていた子たちはいたけれど、そのまま公立の中学校に進みたくないと親に頼み込んで私立中学を受験した。離れたかった。 「学校に行かない」という選択をしなかったのは、妹が1年生のときから不登校だったからだ。お姉ちゃん

          「ありがとう」なんて口が裂けても言わないけれど、いじめられた側でよかったよ

          真っ黒な棘棘の夜に、

          星が見たくてベランダに出たけれど、雲に隠されてしまっていて見えなかった。今日の夜空は、心の鏡みたいだ。涙は溢れていないけれども、もやもやに支配されて泣き出しそうな夜の空と今のわたし。 noteを巡ろうと思ったけれど、オススメの記事たちがキラキラしていたからやめた。今夜は、明るく輝くものに触れたくなかった。欲しかったのは、瞬きしたら見失ってしまいそうなくらいのとっても小さな光。 - - - - - 「特に何かがあったわけではないが全てを投げ出したい」が、ときどきやって来る

          真っ黒な棘棘の夜に、

          空っぽにみえる日々だけど

          「noteを書こう」と思っても、結局「書くほどのことがない」とか「途中まで書いたけれど何か違う」に辿り着いてしまいがちだ。記録用にひっそりと綴りたいと思う一方で、読まれたい・スキが欲しいと思ってしまう強欲な自分もいる。読まれることと好かれることを無意識に考えてしまうから、書けないし完成させられないのだ。たぶん。 ドラマチックな事も、自信を持ってアウトプットできる思考も、毎日あるわけではない。小さな出来事はたくさんあっても、それらを広げられるほどの文才がわたしにはない。3行と

          空っぽにみえる日々だけど

          贈れなかった「おめでとう」と言えなかった「好きです」

          通勤通学時間でもそこまで混み合わない、手動ドアだった田舎の各駅停車の4両列車。高校に入学し、電車通学が始まった。本や参考書を読んだり音楽を聴いたりしながら、片道40分揺られて学校へ向かった。 向かい側の席に座る彼をいつから好きになったのかは覚えていない。いつも黒いヘッドフォンで音楽を聴きながら、何かを読んでいた。そういえばリュックも黒だったから、黒色が好きだったのかもしれない。 ありふれた学ラン、制服から学校を割り出すことはできなかった。近くに、隣に座れば校章が見えたりし

          贈れなかった「おめでとう」と言えなかった「好きです」

          奇跡の欠片たち

          10年前の3月12日に、妹の成人式の前撮りをした。 - - - - - 妹は成人式の前撮りのために、わたしは大学を休学し療養中だったため11日は家族全員が「実家」に揃っていた。 一度目の大きな揺れがおさまった後、妹とわたしはすぐ一階におりて居間のテレビの前に座った。震える手を繋ぎながら、報道から目が離せなかった。 遠方に住む友人たちからの「無事?」というLINEに返信できたのは、夜になってからだった。充電の心配もあったが、そこまで被害が深刻でない状況下で回線を使うこと

          奇跡の欠片たち