2001年 私の記憶の旅
TM NETWORKの2001年のアルバム『Major Turn-Round』は、当時約9年ぶりのオリジナルアルバムであり、彼らの進化と深化を感じさせる作品でした。
TMらしいシンセポップの要素はしっかり残しつつ、2000年代の音作りにアップデートされています。プログレと言えば、「暗くて重い」音が特徴です。このアルバムもTM NETWORK らしさを完全に消したわけではなく、それでも新しい音に挑戦した、まさに渾身の『プログレッシブ・ロック』なアルバムです。
デビュー当時のキラキラした華やかなステージが好きだったFANKSには、受け入れることが難しい、好みがはっきり別れる作品だと思います。
ジャケットのロゴもYESの『危機』みたいなデザインで、思わずニヤリとします。
実は私、プログレ大好きなんです。
小学生でゴダイゴを聴き、組曲とプログレに目覚めたのは早熟だったのかな?
夫の影響もあり、キング・クリムゾンやELP、ジェネシスもYESもピンク・フロイドも全部大好きです。
TM NETWORK というか小室哲哉さんがELPが大好きで、キース・エマーソンの大ファンなのは知っていたのですが、TMNETWORKがプログレを演奏するとは全然思っていませんでした。
それに2001年当時の私は完全にTM NETWORK 空白期の真っ只中。
妊娠出産育児のために全神経を集中していた時期だったので、ライブに行くような余裕なんて全くありません。それに今と違って、ネットも常時接続ではなく、夜11時からの「テレホータイム」以外は我が家はネットサーフィン禁止だったので、情報を追いかける気力すらありませんでした。
そんな2001年に行われた『Major Turn-Round』を2025年の1月に初めて見て、やっぱり私はプログレッシブ·ロックが好きだって再確認しました。
画質が全体的に暗いのは、画質の古さや当時の演出のためだと思うのですが、その暗さがアルバムの音や世界観にしっかりマッチしていて、全く違和感なく見られました。
違和感がないというのは実は、宇都宮隆さんのボーカルがデビュー当時から40年経った今でも、どんなアレンジになっても声や歌い方が変わらないという、安心感から来るのだと思います。
そして小室哲哉さんが作り出すキーボードの音は絶対に外せません。プログレにはハモンドオルガンは必須です‼️キース·エマーソンのナイフもお約束ですね。
木根尚登さんは、いつどんなTM NETWORK でも欠かせない存在です。
木根さんがどっしり構えていてくれるから、小室さんはキーボードプレイヤーに専念する事ができるんです。
小室さんが安心して背中を預けられる人、それが木根尚登さんなんです。
TMらしいキラキラしたエレクトリックなサウンドと、逆にプログレの鈍重な厚みのあるリズムやメロディ、特徴的なリフ。
そしてステージ全体が嵐の夜のような雰囲気、葛城さんの重いギターや亘さんのお腹に響くドラムも統一感をしっかり感じました。
でも一番印象的だったのは、今までのシンセベースではなく、春山信吾さんの手弾きの音だったことです。ベースの音がブンブン鳴っていると、シンセとは全く違うグルーヴ感が強くなりプログレっぽさをより感じます。
グレッグ・レイクのぶっといベースがELPによく合うように。
妊娠中で育児中だった当時の私がこのライブを見たら、どう思ったんだろうね?
自分のことながら、感想が気になります。
多分めっちゃ興奮したんだろうなぁ。
やっぱりTMNETWORKサイコー!大好きです。
2001年、私の記憶の旅は、完全に忘れていたTM NETWORK のときめきと音楽への愛情、そしてこの先にやってくる、育児という長い長いトンネルに入る前の穏やかな時間が確かにあったことを思い出した時間でした。
またしてもウザくあれこれ語ってしましましたが、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。