誤って買ったドライイーストの使い道
間違ってドライイーストを買った。
なんで間違ったかというと、
雑誌『オレンジページ』を買って、そこに「フライパンで焼くピザ」というのがあって(その特集に惹かれて買ったわけだが)、これを作ってみようと思ってスーパーにチーズとかオリーブオイルとかの材料を買いに行ったところ
レシピ上はベーキングパウダーでよかったのに、私はなぜかドライイーストと勝手に信じて疑わなくて(大抵買い物にいくときにメモをとらない)、ドライイースト大容量50グラム入りを買ってきてしまった。
返品するわけにもいかないのでしばらく眺めていた。
なぜ困っているのかというと、うちにはオーブンも温度計もバターもないから、パンが作れないとおもっていた。
椎名誠さんの著書『極北の狩人』にバノックというパンの作り方が出てくる。
イーストをつかわないパンで、小麦粉、粉ミルク、ベーキングパウダーをよく練って、焚火で焼く。
ロシアにいたときはそれに倣ってバノックをフライパンで焼き、学校に持っていくおやつをつくっていた。そもそもロシアのスーパーでふつうに手に入る小麦粉に、日本であるような強力粉とか中力粉とか薄力粉の区別はなかった。
パンってそれぐらいシンプルでいいのだ。
小さいころにウチで作ったパンは、大きいレシピに美しい写真とともに乗っているパンで、温度計が必要で、しっかり発酵させて、バターを使って、そういうパンだった。バターロールをつくるのもひと騒ぎで、クロワッサンをつくった日なんてバターを練りこむときにべたべたになってすごい騒ぎだった。
強力粉と塩と砂糖とお水はある。ごま油かいため油はある。それとベーキングパウダーじゃなくてドライイーストで、というわけでちょっと調べてたら、結局チャパッタをつくってみようという結論になった。
そういうわけで生地をこねた。ご丁寧にゴマまで入れてしまった。オーブンはないので明日フライパンで焼いてみることにする。