演奏が上手いということ㉜
今日はテーマと違った内容の記事になります。
まあ最後まで書かないと分かりませんが。
というのも、ピアノに焦点を当てると、やはり「音程のずれ」を語らざるを得ないからです。
ピアノは一般的に音程が正しいと思われることが多い。
整然と鍵盤が並んでいるからかもしれません。
ただ結論から言うとそれはほぼほぼ間違っている。
まず、そもそも調律のなっていないピアノが多すぎる。
それで正確な音がなったとしたら、それこそ驚異的な話です。
どの程度をもって調律が出来ているか、という判断も難しいのですが、八半音以上ずれたら完璧アウトです。
これは調律したピアノではほぼないでしょう。
でも現実には何のメンテナンスもされていないピアノの方が多い。
あくまでも台数ベースの話です。
ただそれ位まともに扱われていないピアノは多い。
楽器というよりは単なる置物、良く言ってもインテリア。
ここまでは本題ではありません。
ただ調律したピアノの音程が正確かというとそれは間違っている。そうでないピアノなどいくらでも存在します。
最大の問題は湿度と温度。ピアノの音程を作っているのは鍵盤ではなく、内部の弦の張り方ですから、そもそもこの手の変動があるとそれ自体が狂う。
その上、ピアノは弦をハンマーが叩くことによって音がなります。
当たり前ですが、何度も叩かれたら、弦は必然的に伸びる。
これが積み重なると、結構大きな影響を生じさせる。
ピアノにとって必要な調律頻度が弾かれる頻度によって変わるのはこのせいです。
弾かれないことによる経年劣化というのもありますが、それより遙かに弾かれることによる弦のストレスによる影響の方が強い。
もちろん弦の張り方が変わる影響だけではなく、温度や湿度の変動は明らかに楽器にダメージを与えます。
で、ここで出てくる話って他の楽器でも同じじゃないか、と思われるかもしれません。
確かにどんな楽器でも少なからず外的環境による影響は存在します。
他の弦楽器でも一緒だと思われるかもしれません。
ただピアノの場合、「鍵盤」という制約条件がある。
演奏技術では補えないほどの大きな壁。
まあどんな楽器でもコンディションに注意を払うのは当たり前のことですが、ピアノの場合、本当にどうにもならない。
弦が一本切れても、達人であれば演奏出来る他の弦楽器とは訳が違います。
おそらく最も演奏技術によるリカバリーが難しい楽器です。
ここで演奏技術の話に関する話にも繋がってくる訳ですが、記事も長くなったので、今日はこの辺で。
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