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『食べる!ハーバルメディスン』(後編):冬に備える「ハーバル薬膳」活用法と5つのレシピ

前回からの続き、今回はハーバル薬膳の実践編になります。

『食べる!ハーバルメディスン』で不調から快調に!ハーバル薬膳のススメ (前編)はこちらからお読みいただけます。

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免疫力を支える食べ方の工夫

「食べるハーバルメディスン」では、ハーブの薬効成分を効率よく摂取するために、食べ方の工夫がポイントです。毎日の食事に簡単に取り入れやすい方法を3つご紹介します。

① ハーブの漬け込みオイルで手軽に取り入れる

オリーブオイルやココナッツオイルにハーブを漬け込むと、ハーブの成分がオイルに溶け出し、少量で簡単に摂取できます。ローズマリーやタイム、ガーリックを加えたオイルを作っておけば、サラダやスープに少量加えるだけで風味も栄養もアップ。冷蔵庫で1か月ほど保存でき、料理に取り入れやすい万能オイルです。

② ハーブペーストやディップでフレッシュさを楽しむ

生のハーブを使ったペーストやディップは、免疫力サポートに役立つ成分を新鮮なまま摂取できるのが魅力。バジルやミント、ディルをペーストにすると、抗酸化成分を豊富に含んだフレッシュハーブを簡単に食事に取り入れられます。パンに塗ったり、サンドイッチの具材に混ぜたりして楽しんでください。

③ 発酵食品とハーブの組み合わせで腸内環境をサポート

発酵食品にハーブを加えると、腸内環境を整え、免疫力の維持に効果的です。酢やレモン汁にハーブを漬け込んで作るピクルスは、善玉菌の働きを助ける一方で、抗酸化成分が腸内でしっかり吸収されます。例えば、シソやローズマリーのピクルスは、冬の体調管理に役立つ発酵ハーブレシピとしておすすめです。

生で食べる vs. 加熱して食べる:どちらがいいの?

多くのハーブは生でも加熱しても楽しめますが、種類や目的によってベストな方法が異なります。

たとえば、シソやバジル、ミントなどは生で食べると香りも楽しめ、ビタミンや抗酸化成分がそのまま摂取できます。胃腸が弱い方は、加熱するとさらに摂りやすくなります。

一方、ローズマリーやタイム、舞茸などは加熱すると効果が高まる成分が含まれているので、温かい料理に取り入れるのがおすすめです。たとえば、ローズマリーやタイムに含まれる抗酸化成分は、加熱で吸収率がアップ。きのこ類の舞茸やレイシ(霊芝)は、加熱することでβ-グルカンが増え、免疫機能のサポートに最適です。


冬を乗り切る生活習慣、ハーブと合わせ技で!

いまさらとは思いますが「食べるハーブ」に加えて、免疫力を保つために生活習慣も意識しましょう。ナチュロパシーの基本は、特定のハーブや食品だけに頼らず、全体のバランスを取ることです。
まずはこの3つを意識。

  1. バランスの取れた食生活

  2. 十分な睡眠と休息&運動

  3. 十分な水分補給

「全部やるのは大変…」と感じるかもしれませんが、心配いりません!
これらは少しずつ始めればOK。
毎日少し意識するだけで、体が自然と変わっていきます。
やっぱりハーブだけでどうにかしようと思ってもどうにもならないことはいっぱいあるのでね。

例えば、朝一杯の白湯を飲む時間をゆっくり取ってみましょう。その瞬間に「自分をいたわっている」と意識することで、心も体も温まり、ポジティブな気持ちで一日を始められます。

こうして、自分のペースで体に耳を傾け、必要な選択を重ねていけば、自然と最適なリズムが整ってきます。今年の冬は少しずつ、自分にとって無理のない健康生活を目指してみましょう!


後半は簡単に作れるハーブレシピですが、私がオーストラリアで日常的に作ったりクライアントさんと作ったりしたものを載せています。
日本の食材を使って幅を広げることもできますし、こんなことしてますというアイデアがありましたらぜひコメントください。

内容ががお役に立ちましたら「いいね」で知らせてくださると嬉しいです!

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季節に応じた「ハーバル薬膳」を楽しむ5つのレシピ

「食べるハーバルメディスン」は、体に優しく免疫力をサポートする日々の健康法です。特に寒い季節には、ハーブの成分を食事から取り入れ、自然な形で体調を整える方法として効果的です。

わたしはナマケモノのグータラなので、普段は日持ちするレシピを一度にいっぱい作って毎日使う感じです。今朝は1秒でも多く寝たいとか、今日は料理したくないとか、誰でもありますからね!

なお、皮ごと使う材料は、ワックスやケミカルフリーのものを選びましょう。家の庭でほったらかしで育ったレモンやハーブ等が理想です。


舞茸のほか、キノコの免疫パワーはすごい!

ハーブと舞茸の食べるラー油

材料

  • 舞茸:100g

  • 玉ねぎ:1個(みじん切り)

  • フレッシュガーリック:3片(みじん切り)

  • フレッシュジンジャー:1片(みじん切り)

  • 醤油:大さじ3

  • みりん:大さじ2

  • 米酢:大さじ1

  • ごま油:100ml

  • オリーブオイル:100ml

  • チリ:2本(種を取り除き、細かく切る)

  • りんご酢:大さじ1

  • ハチミツ:大さじ1

  • 乾燥バジル:小さじ1

  • 乾燥オレガノ:小さじ1

  • 塩:適量

作り方

  1. まいたけを細かく刻む。(成分の抽出がしやすくなります)

  2. 炒める: フライパンにごま油とオリーブオイルを入れ、玉ねぎ、ガーリック、ジンジャーを中火で炒め香りが立ってきたら、1を加える。

  3. 調味料を加える: 醤油、みりん、米酢、りんご酢、ハチミツを加え、さらに炒め流。。チリ、乾燥バジル、乾燥オレガノも加え、全体がよく混ざるようにする。

  4. 煮込む: 弱火にして、10分ほど煮込み塩で味を調整する。

  5. 保存: 煮込んだものを清潔な瓶に移し、冷蔵庫で保存。1週間ほどで味がなじみ、美味しくなる。


ペストはジェノベーゼソースとも呼ばれ、本来はパルメザンチーズとパインナッツで作るもの。今回はプラントベースのレシピなのでカシューナッツをチーズがわりに使っています。
パインナッツと合わせてブレンドしても美味しいです。

パスタやお豆腐に乗せても美味しい、ハーブペスト

私が住んでいたシドニーの美味しいヴィーガンカフェ等に行くと、高い確率で出てくるハーブペスト。メインのソースに、パスタに、ディップに、サンドイッチのソースにも使われたりしています。私もヘビロテするレシピですが、カフェやレストランでは、だいたいVITAMIXみたいなプロ向けブレンダーを使っているんでしょうねえ。うちのナマクラなブレンダーで作ったのと仕上がりがまったく違う上質なものが出てきたりします☺️

材料:

  • フレッシュバジル: 1カップ

  • パセリ: 1/2カップ

  • ミント: 1/2カップ

  • コリアンダー: 1/2カップ

  • ニンニク: 1片

  • ナッツ(カシューナッツやクルミなど): 1/4カップ

  • オリーブオイル: 1/3カップ

  • レモン汁: 大さじ1

  • 塩: 少々

作り方:

  1. ハーブ、ナッツ、ニンニクをフードプロセッサーに入れます。

  2. 粗く刻んだら、オリーブオイルとレモン汁を加え、滑らかになるまで撹拌します。

  3. 必要に応じて塩で味を整えます。冷蔵庫で約1週間保存可能です。

ちなみに、このレシピの元ネタはミニマリストベーカーです。写真も記事も最高のフードブロガー、個人的に大ファンでものすごく参考にさせてもらっています。


ダッカまたはデュカーは、その家庭ごとにブレンドが違うと言われるくらい材料はさまざま。
いろいろお好きに変えてみてください。

ナッツ、ハーブ&スパイスのダッカ(Dukkah)

エジプトや中東でよく食される、ナッツとハーブをミックスした、ふりかけ的なスパイスで、オリーブオイルと共にパンにまぶしたりするもの。
私はサラダに振りかけたり、肉や魚を焼くときにまぶしたりもします。フムスを作って表面にふったり、ディップに混ぜたりも。

材料:

  • クルミもしくはアーモンド: 1/2カップ

  • ヘーゼルナッツ: 1/4カップ

  • クミンシード: 小さじ2

  • コリアンダーシード: 小さじ2

  • フェンネルシード: 小さじ1

  • 黒胡椒: 小さじ1

  • カルダモンシード: 小さじ1/2

  • 白ごま: 小さじ1

  • フレッシュローズマリー(乾燥でも可): 小さじ2

  • ドライタイム: 小さじ1

  • ミント(乾燥): 小さじ1

  • 天然塩: 小さじ1/2

作り方:

  1. アーモンドとヘーゼルナッツをフライパンで軽く煎り、粗く砕く。

  2. クミン、コリアンダー、フェンネル、黒胡椒、カルダモンを同じフライパンで香りが立つまで乾煎りし、粗く砕く。

  3. ごま、ローズマリー、タイム、ミントを加え、全ての材料を混ぜ合わせる。

  4. 塩で味を整え、密閉容器に保存。保存は冷暗所で約2週間が目安。


オキシメルはお水やお湯で割って飲む人が多いので、『飲む!ハーバルメディスン」なのでは?
という疑問も湧きますが、パンに塗ったり料理の材料にも使えるので入れました。

ハーバル・オキシメル(Oxymel)

ここ何年か、ハーバリストの間で再々ブレークしているオキシメル。
オキシメルは、古代ギリシャの医師ヒポクラテスが愛用していた伝統的な治療法のひとつで、ハーブ、蜂蜜(またはメープルシロップの代用も)、そして酢を組み合わせた混合液です。

ラテン語で「酸」を意味する「oxys」と「蜂蜜」を意味する「mel」からきた名前で、古代ギリシャやローマの医師たちが、オキシメルを「バランスを整える」として重宝していたそうです。

当時、酢には体液の流れを促し、消化を助ける力があると考えられていた一方で、蜂蜜は免疫機能をサポートし、炎症を鎮める特性があるとされていました。酢と蜂蜜をベースに、ローズマリーやタイム、セージといったハーブを加えることで、さらにその治癒力を高めていたのですね。

糖はどれも血糖値を上げるので、気になる人は食材の一つとして他の食材と合わせて使うのがおすすめ。ここでは、ベーシックなレシピをご紹介します。好きにアレンジしてみてね。

<注意!>オキシメルはハチミツアレルギーの方に適したレシピではありません。また、1 歳未満の乳児には生はちみつを与えないでください。

材料:

  • リンゴ酢: 1カップ

  • 蜂蜜: 1/2カップ (メープルシロップで代用OK)

  • ローズマリー: おおさじ1

  • タイム: おおさじ1

  • セージ: おおさじ1

作り方:

  1. 綺麗な瓶にハーブを入れ、リンゴ酢と蜂蜜を上から加えて混ぜ、瓶を密閉する。

  2. 2週間ほど冷暗所で寝かせ、時々振り混ぜる。ハーブを漉して冷蔵庫で保管し、1日小さじ1杯ずつ摂取。

50度くらいのお湯で割って飲んでもいいいし、マリネ液に使ったり、グレーズソースにしたり、いろいろできます。ガーーリックを入れて作ってもいいけど、トーストに豆腐クリームと合わせてつけるとかしたい人は、ガーリックなし版で。

私は皮膚疾患メインのナチュロパスなので、症状によりけりとはいえ、糖類の質と量の接収は結構細かくてうるさいです。

でも、食材として1日小さじ1程度のオキシメルは全然OKなので、ぜひ楽しんで作ってみてほしいです。


このレシピの元ネタはUKシェフのYotam Ottolenghi です。中東のハーブやスパイスを魔法のように組み合わせて使う方で、彼のレシピには新しい発見とインスピレーションがいっぱい。
写真がすでに美味しそうなので、ぜひHPチェックしてみてください

フレッシュハーブとレモンゼストのハーブソルト

日本でも、「クレイジーソルト」というハーブソルトをカルディ等で買うことができますよね。でもフレッシュハーブを使って家で作ると、100倍美味しいハーブソルトが出来上がります。
ただのサバの塩焼きも、“ハーブソルトを使ったサバのグリル”と呼んであげたくなります。
さておき、天然塩に含まれるミネラルと各ハーブのパワーは、細胞の水分分布をポジティブに動かします。人間の体にとって塩は必須、でもほんの少しでいいからこそ、化学塩を天然塩に変えると身体はしっかり反応します。

材料

  • イタリアンパセリ(フレッシュ):1/2カップ

  • ローズマリー(フレッシュ):小さじ2(細かく刻む)

  • セージ(フレッシュ):小さじ2(細かく刻む)

  • タイム(フレッシュ):小さじ1(葉を取り分ける)

  • レモンの皮(オレンジと半々にするのも◎):1個分

  • 天然塩:1/2カップ

    作り方
    1. パセリ、ローズマリー、セージ、タイムを細かく刻む。
    2. レモンの皮をすりおろして、ハーブに加える。
    3. ボウルにハーブ、レモンゼスト、天然塩を入れてよく混ぜます。
    3. 乾燥させる(お好みで):フレッシュハーブを使っている場合、オーブンを100℃以下に温め、15~20分間軽く乾燥させると長期保存しやすくなる。

保存方法
乾燥させたハーブソルトは密閉容器に入れ、冷暗所で保存して1~2週間以内に使い切る。


終わりに

「薬膳」として意識せずとも、ハーブをふんだんに使った美味しい料理は世の中に溢れ、有名シェフのレシピも簡単に見つけられます。
ただ、「ハーバル薬膳」を目指すなら、少し意識したいのは、セラピュティックドース(有効な摂取量)とハーブ同士の相乗効果です。
また、薬効成分が効率よく抽出される工夫も大切ですね。

ナチュロパシー(自然療法)の観点からは、スーパーフードとハーブを組み合わせ、滋養を意識した「癒す食餌」にすることも効果的です。
食餌療法と考えると理屈も深まりがちですが、まずは美味しくたっぷり食べて、心身ともに豊かに健康に、という気持ちがとても大切だと思います。

理論的な裏付けももちろん大事ですが、実際にハーブを食べて楽しむ分には細かく考えすぎなくても大丈夫です。
誰かに意見を求められた時に備えて、知識を持っておくくらいの感覚で、リラックスして取り入れていきましょう。

ぜひ、日々の暮らしに「ハーバル薬膳」を取り入れて、楽しんでみてくださいね!


このnoteでは、どなたにも日々役立てていただける食と健康に関する情報を提供していますが、医療専門家のアドバイスに代わるものではないことをご確認ください。効果や結果は個人差があるため、特定の健康問題については医師や専門家にご相談ください。情報は最新を心がけていますが、変更される場合もありますので、自己責任でご利用ください。
また、私のブログ記事を参考にしていただく際は、ぜひ出典を明記していただき、内容はそのまま正確にご使用ください。転載や複製をご希望の場合はご一報ください。どうぞよろしくお願いします。

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