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“「旅のラゴス」”

ついに、たった一日で読んでしまったよ。久しぶりに夕食中も気になるくらい夢中になった本です。

「旅のラゴス」著筒井康隆

簡単なあらすじとしては、主人公ラゴスが旅の道中、様々人に出会い、別れを繰り返していく話。テレポーテーションや人と心を同化させるファンタジーな部分と、現代に生きる私たちの社会問題を混ぜた摩訶不思議な小説。

ドンドンと先に読み進んでしまう本でした。展開が気になるというか、ワクワクが止まらない。壮大なの。旅好きにはたまらない一冊かもしれない。

旅というテーマの中で、過去、未来、現在が重なり合って、軽やかに時が流れていく作品です。私たち(読者)の現在が彼らの過去であり、彼らの現在が私たちの過去であるのです。何とも不思議な感覚。

また、主人公が北から南へ、南から北へと長い道のりを旅するのですが、旅している気分になるから、自分が今どこにいるのか一瞬わからなくなる。

そして時間の使い方が優雅。こうやって人生を過ごしたいなと思うくらい優雅。 これは彼が知識欲を爆発させている時の考えです。

人間はただその一生のうち、自分に最も適していて最もやりたいと思うことに可能な限りの時間を充てさえすればそれでいい筈だ。

彼のような生き方ができてる人は、今現在、一体何人いるのだろう。彼は何十年という歳月をかけて旅をして、先進的な知識も得ているからこその考え方かなと。

最後に、この主人公ラゴスという男は本当に魅力的すぎて、みんなが彼を好いているのですよ。何が魅力とは一言では言えないけれど、教養があり寡黙で人当たりが良くて、、、実際にいたら私も気になるような人柄。何人もの人が彼に惹かれては別れを繰り返していたよ。彼にはわかってたんだよね。一生旅は終わらないものだって。かっこいい生き方だなぁ。

世界平和はもちろん、色んなことを考えたけど、旅って素晴らしいなってことがいちばんの感想。

読み終わった後、自分も雄大な一つの人生を歩んだ気分になる一冊でした。

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