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たぬきの日記
2021年6月29日 00:20
仁王窯の人に教えてもらったお店は、坂を登ってすぐの沖縄の古民家。真っ白な屋根に昔ながらの門構えのテラスと玄関。ぬちがふぅさんです。あれよあれよと座敷に通されると一息つくことができた。せっかくなので、いちばん良さそうな御膳を注文。せっかくですからね。みてくださいよ、この豪華さ。どれも素材のよさを生かした繊細でさっぱりした幸福。誰もがきて良かったと思います。食事も終わり、お手製のちん
2020年7月24日 21:25
半島に沿って走るローカル線は二両編成。一時間に一本の列車に遅れないように尿意を無視して急いで乗り込むが、車内にトイレが設置されていたので安堵する。暑いホームから車内に入ったときは涼しさを感じたが、ややけば立ったシートに腰かけると、開け放たれたドアから押し寄せてくる熱気のほうが意識を支配する。駅を出た列車はゆっくりと都市部を抜け出てゆく。入居者の気配のない老人ホームや宗教色の強い政治広告を車窓に
2020年2月7日 21:01
夜行バスを降りた早朝の御堂筋は乾いた冷たさ。大阪に来るときはいつも早朝だった気がする。人間はいないけれど、ビジネス街という場はそこに残されたままになっていて、もうすこし時間がたてば再び人間で満たされてゆく。丁度一年前に大阪に来たときは、中国へ飛ぶために関空へゆく中継地点だった。そのとき、行こうと思った珈琲店は定休日で、泣く泣く梅田の地下街で早朝にあいている喫茶店を探した結果、泉の広場の一角に流れ着
2018年11月17日 22:06
イタリア・パヴィーア。快晴。この小さな町は四方から橋で繋がれている。かつては神聖ローマ帝国皇帝の戴冠式が行われたり、オスマントルコとの激しい攻防の舞台ともなった重要な立地ゆえ、南は川で、他の三面は城壁で囲われていたらしい。しかし今では悠然と流れる南側の川と、北側の古城と教会の一部にその痕跡を残すのみである。西側の鉄路を越す石造りの橋は所々凹凸があり、旅鞄を曳くには不都合であった。背の高い街路