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インバスケット演習サンプルその23:お客様からの無理なお願い

今回のサンプルは「部下がお客様から会社ルールと異なる対応を迫られた」というシチュエーションです。

問題内容

あなたはとある旅行代理店の尼崎営業所長 国吉さんです。休暇明けの朝にPCを開くと、営業所員の倉木さんから以下のようなメールが入っていました。

国吉所長
毎年団体旅行を手配頂いている御立精機 総務部長の大島様より「来週末の2/28に尼崎駅前ホテルを2名/1泊2食付き/ツインルームで至急予約してほしい」とのお電話がありました。会社のルールで電話予約はお受け出来ない事を伝えましたが、前任者の松岡さんは電話対応してくれたからと押し切られてしまったんです。
やはりルールであることを改めてお伝えし、お断りすべきではないかと考えています。今後どのように対処すべきでしょうか。

松岡さんは先月会社を退職してしまった為、過去の事例確認が出来ません。
社内の営業規定を確認してみると、確かに倉木さんの言う通り「ホテルの宿泊予約はお客様自身に専用フォームを記入頂く」となっているので、ルールからは逸脱している様です。さて、お得意様からの無理なお願いをどのように対処しますか?

次のアクション例

  1. 倉木さんの考えを受け止め、業務姿勢を褒める
    会社のルールをきちんと把握し、上司へ包み隠さず報告・相談してくれた倉木さんの行動は組織の一員として正しいものです。まずはそこを肯定し、褒めてあげましょう。

  2. ルールの背景を理解するように促す
    単に「ルールだからダメ」と割り切るのは簡単ですが、なぜダメなのかを理解しないと倉木さんのモヤモヤは解消されません。なぜ電話での予約依頼を受けるべきでないかを倉木さんに考えて貰った後、「電話だけだと聞き間違いや言い間違いが起きる」「電話受付だと営業所にいる人間にしか対処できない」といった理由を説明してあげましょう。

  3. どのように対処すべきか、上司判断を下す
    インバスケット演習には明確な正解が無いため、合理的・論理的な判断理由や部下への指示が明示されていれば、大島さんの依頼を受けてもいいし断っても良いです。
    もし依頼を受ける場合、例えば「今回は過去の経緯を踏まえてお受けするが、後日大島様を訪問し、社内規定の為に電話予約ができない旨を所長自らご説明する」という風に、今後はどうするのかも明確に指示しましょう。決してすべての判断を倉木さんに丸投げしてはいけませんよ。

前任者の異動や退職等で過去の事例が引き継げないという問題パターンは、インバスケット演習でよく出てきます。本番で急に出てきて焦らないよう、きちんと事前に対策をしておきましょう!

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