保育園行きたくないってさ!(後日談)

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https://note.com/bluefrog/n/n25343439a745

にて、ママがひなちゃんの保育園の行き渋りについて書いたが、今回はその後我々が取り組んだことと、ひなちゃんのその後を書き残しておきたいと思う。
 結論から言うと、ひなちゃんはこれまでどおり泣かずに保育園に登園できるようになった!笑って楽しそうにバイバイというよりかは、どちらかというと諦めたといった雰囲気ではあるのだが、いずれにしても毎朝泣かずに登園してくれると、我々の心がその日一日平穏でいられるのは間違いない。
 まず我々が取り組んだのは、ひなちゃんの気持ちの切り替えるきっかけを作ることだ。
登園の朝出発前に
「ひなちゃん今から保育園に行きます」
とはっきりと伝える。
ひなちゃんはまだしゃべれない言葉は多いが、我々が言うことは理解していると感じる瞬間がここ最近格段に増えた。
その時点では楽しそうに玄関に行き、愛用のリラックマの園バッグを持って早く行こうとばかりにせかしてくる。
家から保育園まではほんの百メートルほどの距離だ。その間立ち止まったり植込みの葉っぱを触ったりしながら、ひなちゃんのペースできままにのんびりのんびり園へと歩いて行く。
そして園に到着し、扉が開くと泣き出すことが続いていた。
 その日も
「ひなちゃん今から保育園に行きます」
と言い、いつもどおり家を出発した。
梅雨入りしたことを高らかに宣言するかのような大雨の日だった。
保育園の前まで到着したところで、いつもと違うことを取り入れてみた。
「ひなちゃん今から10数えてお歌を歌ったら保育園に入ろうか」
「1、2、3…10」
「おまけのおまけの汽車ポッポ、
ポーっと鳴ったら保育園♪」
これはひなちゃんが生まれて間もないころから、ママが歌っていたものだ。お風呂が好きでなかなか湯船から出たがらないひなちゃんに、お風呂を上がるきっかけに歌っていたものを今回アレンジして試してみた。
歌い終わるとお風呂の時と同様、ひなちゃん自身が
「ポッポー」
と言い、心の準備が整ったところで保育園の扉を開けた。
そうすると、全く泣かずにすんなり離れたのだ。
「ひなちゃんすごいなー、今日は泣かなかったなー!」
と言いながら、いつ泣き出さないかと気が気ではない僕の気持ちとは裏腹に、ひなちゃんは平然とした様子で手を振っていた。
 大雨の中傘を刺して、保育園の前で10数えている時は正直早く送り届けたいなと思ってしまったが、いつもよりもほんの少し時間をかけたり、やり方を変えることで結果が変わるということを身をもって学んだ出来事だった。
 以後ひなちゃんは保育園に行く時も泣かなくなった。ひなちゃんなりに、何か気持ちを切り替えるきっかけを探していたのかもしれない。
 忙しくなるとついつい大人にとって余分なことは省略してしまったり、より効率の良い方法を探したりする。でも子育てにおいては、それが必ずしも正しいことだとは限らない。
わかっていてもきっと今後も同じことを繰り返してしまうんだろうなとも思う。ただその度に、ふと立ち止まってひなちゃんの視点で物事を考えられる心の余裕は持ち続けたいと思った。

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