③喋らない営業
店員さんに言われ、目の前の鏡を見てみたら、
おでこの少し上くらいに、500円玉より一回り大きい円形脱毛がありました。
[店員]「少し長めにお切りしますね・・・」
店員さんの言う通り、少し坊っちゃんヘアーにしてもらいました。
自分ではそんなにストレスを感じたと思ってなかったのですが、気付かないうちにストレスを溜め込んでいたんだと思います。
取れない営業を半年続けた時に
眠れない夜が続きました。
「自分はなんてダメな人間なんだ」
「何処で働いても成功しないんだろうか?」
「生きてていいのかな?」
そんな事を毎日、毎時間、毎分考えてしまうようになっていたのです。
契約がとれた日はぐっすり眠れますが、次の日に契約が取れないとまた、眠れない日々が続きます。
こんな苦しい人生生きててなんの特になるのか?
そんなネガティブな考えが、いつしか営業をしている最中でも考えてしまうようになってきたのです。
「不審者に思われてるのかな?」
「興味がない商品なんか買わないよな」
「つまらない人だとか思ってるのかな?」
考えたくなくても考えてしまい、過呼吸になりそうなほど、胸の心拍数が上がってる感じになります。
周りは、営業辞めたら?とか言うけど、本人は辞めたら楽になるといった、そんな単純な事じゃないんです。
ここで諦めたら自分を否定しているような感じに襲われ、生きる気力さえ無くしてしまいます。
会社では他の社員にバレないように明るく振る舞ってましたが、ある日A先輩だけは異変に気付き、私を飲みに誘いました。
A先輩が飲みに誘う事なんか今までで1回もない!
そんな先輩に誘われたのですから、私もA先輩に悩んでいたのがバレたと確信しました。
[A先輩]「もぐらくん?」←私の名前(仮)
「今鬱でしょ?」
その時、私の心の中にスーと酸素が入り込んだような感じになりました。
私だけかも知れませんが、鬱の時の私は、深海の中にいるような感じでした。
そこは暗く、息苦しく、静かで、色んな事を考えるのには最適な場所です。
考えるのには最適ですが、常に嫌なことばかり考えてしまい、頭がどうにかなりそうでした。
私は今の悩みをA先輩に伝えました。
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