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邂逅の道

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「深山ゆみ」名義で執筆した初のオリジナル小説です。 ある男女が繰り広げる出会いと別れから、人と人の人生におけるめぐり逢いと絆を表現したストーリーです。 1話200円で販売していま…
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記事一覧

邂逅の道 #9

邂逅の道 #9

ウェディングドレス一時入院していた彼女が、退院した。

主治医は、このまま病院で緩和ケアを受けることを勧めたが…
彼女はどうしても「退院する」と、言い張った。

主治医が言うには…
「『最期は自宅で』と思っているからだろう。」
ということだった。

そのため、それまでは2~3日に一回のペースで来ていた在宅専門の看護師さんたちが毎日来ることを条件に、彼女の退院が認められたのだ。

彼女が、主治医から

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邂逅の道 #8

邂逅の道 #8

もうひとつのけじめ俺たちは、晴れて名実ともに「家族」となった。

8月の終わり…優吾の誕生日に、俺と彼女は入籍をした。

婚姻届の保証人には、既に成人した優吾と…もうひとり。
なんと、あの喫茶店「サンタマリア」のオーナーが引き受けてくれたのだ。

俺が「ダメもとで」頼みに行くと、オーナーは嬉しそうに快諾してくれた。
「ここで出会った2人が結婚するための証人になれるなんて、こんなに嬉しいことはないよ

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邂逅の道 #7

邂逅の道 #7

できること彼女が、家へ帰ってきて2週間。
俺たち3人は、特に大きな問題もなく暮らしていた。

彼女は、訪問看護による「緩和ケア」を受けながら、マイペースに過ごしていた。
体調も安定しており、俺は今まで通りに自宅で仕事を続けながら、彼女の看病をしていた。

優吾は、週の半分を俺の家で過ごし、半分は元々暮らしていたマンションで過ごしていた。

1週間前に会った彼女の主治医の話によると…
彼女のがんは、

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邂逅の道 #6

邂逅の道 #6

夏の魔法とやらの力で「へぇー…父さん、意外に男気あるじゃん。」

優吾との夕食。
俺のリクエストによって「季節外れのクリームシチュー」を作ってくれた優吾は、俺の昔話を聞きながらニヤニヤしている。

俺は…息子相手とはいえ、心底恥ずかしくなり、黙ってシチューを食べた。

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邂逅の道 #5

邂逅の道 #5

真実は時に残酷優吾が作ってくれたクリームシチューを食べた後、俺は自分の部屋にこもって、丁寧に『日記』を読み進めた。

あの頃一緒に過ごした、彼女の言葉。
そして…一緒に過ごせなかった20年間の、彼女の言葉。

そこには、俺が知らなかった…知らされていなかった『真実』も記されていたのだ。

その「真実」は、彼女がこの家で暮らしていた、あの秋の日にかかってきた1本の電話から始まる。

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邂逅の道 #4

邂逅の道 #4

あの日の僕へ俺が優吾と出会い、一緒に暮らすようになって…早いもので1ヶ月ほどが経った。

最初に会った日は、散り際の桜吹雪が美しかったのに、その桜も既に青々とした葉を茂らせている。

俺は今日も、彼女の病院へ行った。

あれから毎日のように病院へ行っているが、彼女の容体は一進一退の状態だ。
鎮痛剤の点滴でずっと眠っている日もあれば、調子良く話ができる日もある。

『今日は、起きてるかな…』
そう考

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邂逅の道 #3

邂逅の道 #3

親子
「ここまでの話って…もしかしなくても、ただのノロケ話?」

せっかくの引っ越しだから「引っ越し蕎麦」が食べたい!
…という優吾のリクエストに応えて、近所の蕎麦屋から出前を取った。

その蕎麦を向かい合ってすすりながら、俺が話す昔話をひとしきり聞いた優吾は、何となくニヤニヤしながら俺を見ていた。

俺も、そんな優吾の視線が痛くなってきて
「い、いや。別にそんなわけじゃないけど…」
と、どもりつ

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邂逅の道 #2

邂逅の道 #2

憧れの女の子

「おーい、準備できたか?」
俺は、部屋の奥にいる…息子の優吾に向かって声を掛けた。

「はーい!今、いきます。」
と、優吾の声がすると、大きなバックを2つ肩にかけた姿で現れた。

今日は、俺が待ちに待った「引っ越し」の日。
…と、言っても何もかもが引っ越すわけではない。

優吾と、彼の母である優祈…彼女たちが20年暮らしたこのマンションから、優吾は俺の家へ「身一つで」やって来るのだ

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邂逅の道 #1

邂逅の道 #1

あらすじ人生とは「めぐり逢い=邂逅」を繰り返して織り成されるもの。
その道がどのように交わり、どのように別れていくのか…
それは神の采配のみに委ねられているのだ。

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主人公・高岡慶吾は、ある女性との20年振りの再会を待ち望み、約束の場所を訪れた。
しかし、その場所に現れたのは女性ではなく…若い青年。

青年の名前は「藤沢優吾」。
慶吾が再会を待ち望んだ

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