邂逅の道 #8
もうひとつのけじめ
俺たちは、晴れて名実ともに「家族」となった。
8月の終わり…優吾の誕生日に、俺と彼女は入籍をした。
婚姻届の保証人には、既に成人した優吾と…もうひとり。
なんと、あの喫茶店「サンタマリア」のオーナーが引き受けてくれたのだ。
俺が「ダメもとで」頼みに行くと、オーナーは嬉しそうに快諾してくれた。
「ここで出会った2人が結婚するための証人になれるなんて、こんなに嬉しいことはないよ。」
「親父さんも喜んでるだろう」と言いながら、目頭を潤ませているオーナーの姿を見て、俺もなんだか感慨深い気持ちになった。
そして…
俺には、もうひとつ「けじめをつかなくてはならない」相手がいた。
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