呪術廻戦 14巻 【ネタバレあり読書感想文】 呪霊の矜持 人の蠢き
★★★★★
Amazonでレビューしたものです
呪霊と呪詛師の引き起こした呪術テロ=渋谷事変真っ只中。
戦いにより気を失って倒れた虎杖は、一気に10本以上の指を飲まされ、宿儺に変わったままとなる。指を飲ませた漏瑚に対し宿儺は、戦って一撃を入れたら下に着くといって戦闘を持ちかけ、二体の化け物が渋谷の街を暴れ回る。
1.人間とは
花御と陀艮に会いに行く漏瑚。
この世界における「死」が花御によって語られます。
お互いを思い合って一緒に過ごし、将来のために協力しあって戦い、扉を通ってまた巡り合うことを願う、三体の呪霊たち。
下手な呪詛師より人間らしく思えます。
呪霊たちの別れの場へ現れる宿儺。
人間に成りたかった呪霊をくだらないと言い、全てを燃やし尽くすべきだったという宿儺。
彼にとっては破壊こそ全てということでしょう。
しかし、そんな宿儺が、
漏瑚の強さを褒め称え、
漏瑚は涙をこぼします。
それを本当に知らないの?
なら、なぜわざわざ漏瑚を褒めにやってきたの?
人間とは何か。難しい線引きですね。
2.伏黒の捨て身に宿儺の狙い
黄泉がえったまだ見ぬ実の父・甚爾とやり合い、勝手に自害され、混乱しつつ離脱しようとした伏黒。
そこへ、呪詛師・重面が不意打ちで襲いかかり一撃を受け、歩くことも難しくなってしまいました。
「命は懸けても捨てる気はない」といった彼が、文字通り捨て身の調伏の儀を始めます。
制御不可能な式神を呼び出し、呪詛師を巻き込む。
式神の一撃を受けて倒れる伏黒。
駆けつけた宿儺は、伏黒を助け、式神と対峙し退けます。
「領域展開 伏魔御廚子」
禍々しくも美しい領域により、式神を退けます。
人間を皆殺しに、渋谷の街を廃墟にして。
わざわざその光景を虎杖に見せる宿儺。
性格悪いことこの上ない。
さっきは漏瑚を褒めてたのに。。
でもこれが最強最悪の呪いの王の魅力でしょうか。
3.七海建人の遺したもの
虎杖と真人の事件で共に行動し、彼を支え指導した、先輩1級術師、ナナミン。
陀艮との戦いののち、漏瑚の炎に包まれ倒れた。
と思ったら、片目を失い半身やけどの身で戦っていました。
いつも冷静な彼も、意識が混濁し、思考が定まらず、やりたかった生活や趣味に思いを巡らせます。
やってきた、真人。
人生の最期を覚悟し、想いめぐらす七海。
現れた灰原は、虎杖を指差します。
彼に最期の呪いをかけるように。
おそらくこの物語で、唯一と言っていい真っ当な大人だった、ナナミン。
彼の最期は思ったよりあっけなく、悲しいものでした。
こちらが綺麗なアニメで音楽付きで表現されるところを想像すると、見たいような見たくないような、、、
虎杖にまたかかってしまった呪い。
でもそれは彼をもっと強くすることでしょう。
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