記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

3月のライオン 9巻【ネタバレあり読書感想文】 盤の上で生きる


★★★★☆
Amazonでレビューしたものです

高校進学を前に、ひなたは零の通う高校を受験することを決意。零もそんなひなたに勉強を教えながら将棋を指す中で、今の自分にとってひなたの存在がいかに大きいかを自覚し出し…。

Amazonのページより



1.ひなたの楽しい高校生活のために


いじめがなんとなく片付いたひなちゃん。
屋台を出した後に三日月堂をやりたい気持ちでいっぱいでした。
高校について悩んでいた日、零ちゃんは部活動?に誘って流しそうめんを楽しみます。なんかこの部活いつもなんか食ってんな。
この高校楽しそうだと思い、おじいちゃんの後押しもあって、受験を決めました。
例によって学習計画を作成してひなちゃんに勉強を教える零。
なのに、最後の最後にちょっと爪が甘かった。

失った多くのものを思うひなちゃん。
まだ中学生なのに。
でも彼女は自分で、また出会う人もいると気づきました。

熱を乗り越えて合格。
髪もさっぱりして、高校デビューおめでとう、ひなちゃん。

2.死神と呼ばれた男


こんな別名あるかいという棋士・滑川七段。

「立てば不吉」「座れば不気味」「歩く姿は疫病神」
「望み」と逆方向にきっちり連れて行く死神。

何それ、、人間?

という紹介の滑川ですが、インタビューで彼の心情が語られます。

葬儀屋の長男として生まれた彼は、生きているうちに色々味わわないといけないと思っていました。
だから、彼は将棋を愛しています。
「生きている」ということをこんなにも実感できるものを他に知らないから。
そして、彼は、対局相手も愛します。
運命の一局の極限状態に全てを晒す相手に対し、熱い愛情を込め、自らの全力を注ぎ込み、叩き落とします。

生きることを好きな将棋で味わい続ける滑川。
わかりにくい彼の愛情は深く一途なものでした。
だいぶ自分勝手な愛情ですが。。

3.土橋九段VS宗谷名人


全てをかけて将棋に打ち込む土橋。
迎えた名人戦で対峙する宗谷。
彼らは小さい頃からの対戦相手で、何度も繰り返してきた対局でした。

しかし、また違う戦い方で仕掛ける土橋。

この辺の将棋の棋士の関係は不思議ですね。
桐山と二階堂もそうですが。
小さい頃からずっと対局してよく知っている同士。
ライバルでありながら友人でもあり。

二人は二人で二人の対局を楽しみ、今度は協力して二人で歩んでいきます。
さらなる将棋の道を。

そんな将棋のみに打ち込める二人が羨ましいですね。
面倒な俗世に煩わされることなく、ただただ一心に好きな道に打ち込み、美しい将棋という果てしない世界の中を泳ぎ続け、盤の上で生き続ける。

私もそんな人生を生きてみたかったです。憧れます。

まあ、親としては将来心配でしょうけど。


著者:羽海野チカ (著)
ASIN ‏ : ‎ B00GYLEVWM
出版社 ‏ : ‎ 白泉社 (2013/9/27)
発売日 ‏ : ‎ 2013/9/27
言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 45473 KB

いいなと思ったら応援しよう!