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<祝・グラミー最多受賞記録樹立>ビヨンセはまたしてもAOTYを逃したわけだが

グラミーの総括・まとめ記事が出揃い、ビヨンセ関連だとやっぱり「今回もアルバム・オブ・ザ・イヤー(AOTY)を逃した問題」ばかりが指摘されているが、過去20年間にわたり何度もインタビューをし、ソロ・アルバムのライナー(解説文)を執筆させてきてもらった者としてどうしても言いたいことがある。

近年のビヨンセの作品とか歌詞、発言の内容にちゃんと気を配ってる人なら、彼女がそんな権威とか団体のようなちっちゃいものにエンドースされて一喜一憂するようなステージからは遠く離れたところに行っちゃってることはわかってるはず。

彼女の場合、逆にグラミーのステージの上から、彼女が思うところのシーンの立役者に、自分の存在感や発言力を使って「自分が」エンドースしているんだから。『ルネッサンス』はまさにそういうアルバムだったし。

グラミーでずっとパフォーマンスしてないのも、サウジの富豪相手に一晩で24億円チャージできるシロモノをみすみすタダで見せないでしょ?と思えば納得だし、最近アナウンスした新作のワールドツアーのチケットが1枚1,000ドルになるという恐ろしい噂も流れる中、家賃を滞納してでもビヨンセを生で観たい、というファン心理に忖度したら、「授賞式仕様」の使い勝手の悪いステージで中途半端なものは見せたくないだろうし。

グラミーがうだうだしている間にビヨンセもヒップホップも手がつけられないほど大きな存在になった、それだけのことだと思う。そこにグラミー的権威主義の後ろ盾はまったく無関係だった、ってことが一番グッとくる。

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