散歩と言葉で見つける世界
2020年度Bizjapanプロジェクトの1つ、「Sampoem」を紹介します。
Sampoemは、Sampo(散歩)をしてPoem(詩、文章)を書く遊びを広めるプロジェクトです。実際にまちを歩き、そこで感じたことを言葉にするイベントを行っています。
行かないと、分からないことがある。
皆さんは、散歩が好きですか?僕は散歩が大好きで、暇な日にはよく散歩に出かけます。散歩が楽しい理由はいくつもありますが、(地図を読むのが好き、本屋を探すのが好き、暗渠を辿るのが好き、Geocachingが好き…)最大の理由は「行ってみて初めて気づくことがある」からです。
いくら映像や本で見ても、その土地の雰囲気や距離感を上手く掴むことは難しいと思います。思えば、僕が地元の街をある程度知れたのも、趣味のスタンプラリーやGeocaching、山歩きで歩き回ったからです。これは旅行でも同じで、テレビでよく見る場所でも、実際に行ってみて初めてその場の雰囲気が分かるという経験をしたことがある人は多いと思います。
Sampoemのイベントでも、まず体験してもらいたいことは、この点です。つまり、今まで知らなかった街の一面や風景を知るという体験をしたい/してもらいたいのです。「家の近くに(太宰が入水自殺したという)玉川上水が流れてるんだ!」とか、「ここに緑道があって綺麗な紫陽花が咲いている!」とか「○○って意外と家から近い!」とか、そういう小さな気づきをたくさん生み出していければ楽しいと思っています。
その土地のことをあまり知らない人にとっては旅行気分で新しい土地を知れますし、ずっとその地に住んでいる人にとっても、”地元すぎて逆に知らなかった”地域の魅力を発見する経験になると思います。
言葉にしないと、分からないことがある。
僕自身、旅行記を読んだり、書いたりするのが好きです。自分の気づきや見た光景を言葉にすることで、体験の面白さを再認識したり、記憶を確かにしたりすることができると思うのです。
Sampoemでは、歩いて体験したことをもとに、詩、俳句、紀行文、小説などを自由に書きます。形式は自由で、これまでのイベントでもいろいろな形式の作品が集まりました。
書いた作品は、作品集にして参加したメンバーで共有して読み合います。一緒に歩いた人が書いた文章を読むのは面白く、「あの人、あそこでこんなことを考えていたんだ」とか、「こんな視点があったか!」などの発見をすることができました。
これからの応用次第では、地域の魅力発見、そして発信に使えるのではないかとも考えています。
これまでに…
今まで、4回のお試しイベントを行いました。
作品集はこちらからご覧ください。
https://sampoem-project.studio.site/
第1回は、山手線一周。
徹夜で山手線一周約40kmを歩きました。いきなりハードなものを選んでしまい、かなり大変な散歩になりました。寒さと眠気の中、各駅で、それぞれが無季自由律俳句、詩、ゴミを集めて描く絵などを作りました。今でもそのとき書いたもの(他の人のも含め)を見ると、その時の気持ちや見たもの、あの寒さと眠気…を思い出せます。
第2回は、東京・小金井
ここからはノーマルな散歩。歴史と自然を感じる散歩ができました。俳句・川柳が多い回になりました。作品集はこちら。
第3回は、東京・神楽坂
寺社や綺麗な石畳を行く散歩でした。小説を書いてくれた人もいました。
第4回は、東京・両国
都会の中にある歴史を探す散歩となりました。隅田川沿いを歩いて生まれた言葉が綺麗です。
最終的には、作品集を集めて一冊の本にできればと思っています。楽しみです。
11月・リモートSampoem
2020年11月のSampoemイベントは、参加者がそれぞれ別の場所を散歩して、作品を共有する形式で行います。
これまでのイベントでは、場所と時間を参加者の間で共有する形をとっていました。今月はあえて、時間は共通にしながら場所をばらばらにすることで、「世界中で同時に散歩と創作をする体験」を作ります。
読み手は実際にその場所に行くことができませんが、他の参加者の書いたものを読むことで、世界中での散歩を追体験することができると思いますし、その想像の過程にも面白さがあると期待しています。
これまでにエントリーしてくださった方の散歩のテーマと行き先です。想像するだけで既に楽しみになっています。
このイベントは、世界中どこからでも、誰でも参加できますので是非ご参加ください!散歩の実施期間は11/21~11/23の連休中です。
HPから参加できます。
https://sampoem-project.studio.site/
行かないと、分からないことがある。
言葉にしないと、分からないことがある。