グローバルメンバーの受け入れと共に歩んだ5年の軌跡
おはようございます!! あきた創生マネジメント代表の阿波野聖一(あわのしょういち)です。
はじめに:グローバルメンバーと共に
2019年11月、私たちは海外人材、通称「グローバルメンバー」の受け入れを始めました。当時は、コロナ禍が起こる直前で、社会的・文化的にも海外人材への理解が乏しく、「高齢者介護は無理」「日本語は通じないのでは」といった否定的な意見や偏見も少なからずありました。
しかし、地方の労働力不足、そして高齢化の進行を見据えたとき、海外人材の受け入れは持続可能な事業運営にとって必要不可欠な取り組みだと確信していました。
第1期生の挑戦と貢献
受け入れの初年度、私たちが迎えたのはインドネシア出身の3名でした。彼らは「第1期生」として、まさにゼロから組織の基盤を築いてくれました。彼らの存在がなければ、後に続く第2期生や第3期生、そしてその後の世代も存在しなかったでしょう。
彼らは一生懸命に学び、時には日本人スタッフに支えられながらも、自分たちの役割を果たし、組織全体に多様性のあるチーム作りを根付かせてくれました。残念ながら今はもうこの3名は組織にいませんが、彼らの残した功績には感謝しかありません。
学び続ける姿勢と文化への適応
1. 学ぶ姿勢の重要性
第1期生たちが私たちに示した最大の学びは、「学ぶ姿勢」です。言葉や文化の壁がある中でも、彼らは一つ一つの業務や知識を真摯に学び続けました。その姿勢は日本人スタッフにも良い影響を与え、組織全体に学び合う文化が生まれました。
2. オンとオフの切り替え
もう一つ大きな気づきは、仕事と私生活をしっかりと区別する姿勢です。彼らは、仕事の時間には全力を尽くし、オフの時間には自分なりの楽しみを見つけてストレスを発散していました。
例えば、「何もない」と言われることの多い秋田県の地方でも、彼らは自ら楽しみを創出し、地域文化にも積極的に触れていきました。この姿勢は、私たち日本人にとっても新鮮で、見習うべき点でした。
地域社会への貢献と循環
グローバルメンバーたちは、仕事だけでなく、地域社会とのつながりも大切にしてくれました。最初は日本人スタッフがサポートしましたが、次第に彼らは自立し、町内会やシェアハウスのルール、地域との関わり方を後輩たちに伝える役割を担うようになりました。
この循環が組織全体に広がり、次々と新しいグローバルメンバーが加わるようになりました。そして、日本人スタッフも「この組織で働きたい」と思う人が増え、良いスパイラルが生まれています。
教える力・伝える力の成長
グローバルメンバーを指導する中で、私たち日本人スタッフも教える力や伝える力を高める必要がありました。海外人材が思うように動けない場合、それは「伝え方が悪いのではないか?」と自分自身の指導方法を見直す機会となったのです。
これにより、日本人同士では気づきにくかった教えるスキルが向上し、組織全体の成長につながりました。
教育の大切さに気づかされたグローバルメンバー
グローバルメンバーと共に働く中で、私たちは一つの重要な気づきを得ました。それは、教え方や伝え方がいかに大事かということです。彼らを指導する際に、私たちは「伝わらないのは教え方に問題があるのではないか?」と自問し、教え方の質を見直す機会を与えられました。
この気づきは、日本人スタッフにも通じるものです。海外人材に分かりやすく伝えられるのであれば、日本人スタッフにも確実に伝えることができるはずです。この人材教育の意識は、組織全体にとって不可欠なものであり、これこそが私たちが学んだ最も大きな成果だと感じています。
未来へつなぐために
人材教育と人材育成の重要性は以前から感じていましたが、海外人材の受け入れを通して、その必要性がさらに明確になりました。彼らに教えることで、私たちは指導方法を磨き、結果として人材育成の質を向上させることができました。
この考えは特にリーダー陣に強く伝えてきました。彼らがしっかりとした教育を実践できれば、組織全体にその影響が波及し、次世代へとつながっていきます。これは単なる教育ではなく、組織文化の基盤を形成するものです。
情熱を絶やさずに取り組み続ける
最近、私はインドネシアを訪れ、現地のグローバルメンバーと再会する機会がありました。彼らとの交流は私に新たな刺激を与え、改めて燃えるような情熱を感じました。この火を絶やさず、学び続け、次の世代へとつなげていくことが私たちの使命です。
今まで培った知識と経験を無駄にすることなく、未来の人材育成に役立てていく――その思いを胸に、これからも決して諦めずに取り組んでいきたいと思います。
次の世代へ向けて
この5年間でグローバルメンバーから多くのことを学び、私たち自身も大きく成長しました。人材教育の重要性、多様性を尊重する組織作り、そして情熱を持って未来を切り拓くこと――これらの学びを次の世代へとしっかり受け継ぎ、さらなる成長を目指していきます。