見出し画像

【特定技能・技能実習 制度の矛盾について考える】

おはようございます!
あきた創生マネジメント代表の阿波野聖一です。


前回は、外国人労働者の受け入れで生じる問題解決のためにも、事前に労働環境の整備を始めることが重要であるとお伝えしました。

弊社は2019年に初めてインドネシアから3人の技能実習生を受け入れました。それから5年間、特定技能も含め、外国人労働者の受け入れに関して試行錯誤をしながら実績を作ってきました。

基本的に人手不足解消のための受け入れであっても、長く携わってくると数々の制度の矛盾に頭を悩まします。
それでも弊社なりに前向きに取り組んできました。

今回は、外国人労働者と受け入れ側の間で生じる問題の根本的な要因である、「特定技能・技能実習」制度の矛盾について書いてみます。

●特定技能・技能実習の違い 

一般的に特定技能と技能実習の違いを言うと、

特定技能とは
2019年に新しく創設された、人材の確保が困難な一部の産業分野等における人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を労働者として受け入れる新たな在留資格(外務省のホームページより

技能実習制度とは
「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的」(厚生労働省のホームページより)
とした制度であり、1993年に創設されました。

つまり、特定技能は労働者であり、技能実習は労働者として働かせる制度ではなく国際協力なのです。

しかし、この労働と実習の線引きが分かりづらい、あいまいな制度によって、実際は技能実習生も単なる労働者として雇用されて、受け入れ企業との間で人権問題や失踪事件など、さまざまな問題が発生。

そのため、今年3月に制度が廃止され、2027年から「育成就労制度」が施工されます。
(注:新制度では、技能実習で一番の問題とされていた転籍を、パワハラや暴力などの人権侵害を受けた場合など「やむを得ない事情」がある場合や、一定の要件の下、本人の意向によっても認めるというものです)

特定技能も技能実習も、職種の限定、滞在期間、家族の帯同など、それぞれ細かな規制はありますが、実情として、受け入れ企業の多くは、両方とも外国人労働者として受け入れていたのです。

従って、同じような仕事をしていても制度が違うため、当然対応も異なってくるという矛盾が生じていました。

●当事者たちの理解不足によって生じる矛盾

特定技能・技能実習制度の矛盾から発生する根本的な問題は、送り出し国である現地(関係団体、外国人労働者)と、受け入れ側である日本企業の両者が、制度の違いを十分理解していないことです。

人手不足解消のために、とにかく外国人を労働者として受け入れたい日本側と、海外で働きたい外国人を扱う関係団体が、とにかく数合わせのために活動する。

そこには制度の内容を十分理解していない、あるいは、悪用しようとする者によって利用された多くの外国人労働者や日本の受け入れ企業が存在しています。

よって制度を改正するだけではなく、関係団体、受け入れ企業、そして外国人労働者など、当事者たちの正しい理解と、制度の適正な運用を監視する機関の強化が絶対的に必要です。

●入国後の研修に制度の矛盾を感じる

技能実習生には職種に関係なく、入国後に1ヶ月の研修期間「入国後講習」が設定されています。

技能実習制度は国際貢献という名目で実習とされていますが、企業では日本人スタッフと同様に従業員の一員として労働するので、労働条件も日本人と同等です。

とは言っても、技能実習生は言語や文化も違う異国で働き、そして生活するので何かと大変です。その上、実習を継続するためには、それぞれのレベルに合わせた「技能検定」を5年間の滞在中に3回も受けて合格しなければなりません。

そのために、入国後の労働や生活がスムーズに進むよう考慮されたのが「入国後講習」です。

主な内容は下記の通りです。
①日本語(基礎)
②生活一般(マナーやルール)
③法的保護(入管法令、労働関係法令など)
④ 「日本での円滑な技能等の修得等に資する知識」

しかし、同じように来日して働く「特定技能」には、この研修が実施されていません。
即戦力としての労働力確保を目的にしていますが、それでも、外国人が日本の文化やマナー、法律など、日常生活や働く上で最低限の知識は必要なはずです。

この点も、わたしが見る制度の矛盾です。必要性を感じています。
上記のような制度の矛盾に対して、弊社では今後新たな取り組みに挑戦します。

受け入れ前後を受け入れ企業、海外人材をサポート

最後に、この度、秋田県が募集した​​「外国人介護人材活用セミナー等開催業務委託」を弊社が受託することになりました!

日本一少子高齢化が進み、また労働人口の減少に直面している秋田県で、弊社が外国人材を受け入れて実績を積んできた結果だと自負しております。​​

この業務は、介護事業における外国人材の必要性を訴え、まさに弊社が現在までに取り組んできたものであり、また、今後も秋田県を含め日本の介護の未来のために推進していきたい業務でもあるので、わたしとしては本当に嬉しいです!

自分を信じて、自分の想いを発信し続ける。

SNSを通して多くの方々に応援して頂き、弊社も一歩一歩前進しています。
本当に感謝しています!
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

●現在多くの学生たちが、日本全国で就労体験できる介護事業所を探しています。

本気で外国人の人材育成と、介護業界の未来を考えてくださる介護事業所さまで、弊社の【外国人材インターンシップ事業】に、ご興味をもっていただけましたら、私のTwitterホームページからご連絡ください。

インドネシアの看護大学生インターン

●海外視察プロジェクト募集

わたしと一緒に東南アジア(インドネシア・ベトナム)に視察に行きませんか?

外国人材インターンシップ事業の提携大学を訪問、関係者や生徒たちとの交流、その他、現地の生の情報に触れる機会を提供します。
経済発展が著しい現地の状況を肌で感じて、そのパワーを実感してください!
そして介護の未来に希望を見出してください!
(*介護以外の業種の方でも、お気軽にご相談ください)

ご興味のある方は、私のTwitterホームページからご連絡ください。

ベトナムの医療短期大学視察にて

【人口減少社会において、介護経営をリデザインする】をパーパスに、あきた創生マネジメントでは、介護の人材育成と採用における経験を通して、業界全体の未来に貢献するため、人手不足に悩む事業所をサポートする事業を立ち上げました。
「コロナ禍で離職した従業員の復帰が進まない」「求人募集をしても応募がない」など、人手不足の問題を抱える観光や飲食業界などは多数あります。そのため外国人労働者の受け入れを検討される会社も多く、弊社にもお問い合わせを頂くようになりました。
今後は、外国人労働者の受け入れ準備から、複雑な就業手続き、また日本での生活サポートなど、これまでの弊社の取り組みを通して得たノウハウを、業種を問わず他社さまのために活かしたいと考えております。
ご関心のある事業者さまは、私のTwitterホームページなどにご連絡いただけると嬉しいです!
また6/30よりVoicyも再開しておりますのでぜひぜひお聞きください!

✨ 8/14(水)Kindle本発売決定📕✨

実はこの度、2021年Kindle本"共感採用"の発売以来3年ぶりにKindle本が販売する事が決まりました‼︎
タイトルは"高齢化社会を支える介護の未来: 秋田県の小さな介護事業者の挑戦と革新への道"です!
内容は、秋田県の人口減少と高齢化に対応するため、私たち介護事業を通して様々な経営戦略を紹介しました。具体的には多様な働き方の推進、副業やリモートワークの導入、テクノロジーの活用、グローバル人材の活用が主な取り組みです。発売日は8/14(水)。
8/8(木)から予約販売スタートしておりますのでぜひぜひ、よろしくお願い致します🙇

追伸1:
あわの社長のメンバーシップ:新"真"時代とリデザインのメンバーを募集しています。詳細はこちらです。

少子高齢化先進県の秋田から介護事業通して地域の未来と世界への展開を創造しているあわの社長と地方の事業の経営者・管理職・リーダー、これからの世代の子たちがそれぞれの立場の悩みを共有し、解決やヒントをもらいながら、それぞれの想いの実現に向けて、想いをカタチにしていくコミュニティです。

追伸2:

あわの社長の人気記事はこちらから


いいなと思ったら応援しよう!