明日に希望を掛ける 不器用な店の話。
こんにちは。
いきなりですが、それはそれは不器用なBitteです。
おおかた、文章を読めば察しがつくとは思いますが…。
こんな不器用者ですが、私の父は実に器用でした。
身内や親戚から何かにつけ助っ人に駆り出される時は「器用だねぇ」と褒められては「アレやって、コレやって」と、次から次へと使われた。と、ボヤいていた。
晩年には、このエピソードに「器用と言われれば言われるほど〝貧乏〟と言われているような気がした」と追加されるようになった。
私は父を、持ち前の器用さに聡明かつ繊細。
そして精進という言葉に忠実。
そう、いろいろな意味で〝辛抱〟を知っている人と思っている、今でも。
それに引き替え私はと言うと、ぼんやり育った。
お嬢さん育ちという人もいるが、決してそうではない。
子供が育つ過程で〝出来ないことを出来るまでやり通す気構え〟を放置したような…。
精神的育成が為されなかった故に我慢や辛抱を避けようとする、しょうもない者になってしまった。
これを自らが認識できるから、まだマシかも知れないけれど。
だからと言って今さらどうしようもない。
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すっかり大人になった私に、少しでも〝辛抱〟を教えてくれたのも父だったような気がする。
だから、演歌歌手ではないが「苦節10年」には、それなりの意味があると思っている。
一向に前進しない凪の時代も、心折れそうな試練の時も、すべて見事に花開く時のための準備だと思う。
そう言うことなら、この店は苦節まだ7年。
私には足りないものがあるから、まだまだ準備が必要だ。
と、言うことなのか?
それより、私には時の運を掴むような器用さも備わっていない。
こんな気がする。
父からのDNAの受け継ぎは「容姿」だけかも知れない。
頭脳、才能、素質に於いては、残念なことに実に微弱のようだ。
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ここ最近は…と言えば〝リニューアル〟が脳内独占状態で、試作をしながら現商品を並行製造することが難しい。
すっかりダメダメなのだ。
それほどまでに不器用なのだ。
当店は商品数が少ない。
たくさん作って、たくさん廃棄した苦い記憶が今もなお拭えない。
パン(もしくはパンのような発酵菓子)を焼くことに、神経もオーブンも囚われる。
私にとって、パンと菓子を1台のオーブンで繰り回すのは、なかなかの技術を要し、それが今なお未熟なままである。
パン及び発酵菓子など酵母を使用するメニューは、焼成のタイミングを間違えると過発酵になってしまう。
菓子とパンの両立は、とにかくアタフタの連続なのだ。
菓子屋だから菓子優先!
はい!今は「菓子を焼いてま〜す!」などと、悠長なことを言っていられないのだ。
結局、菓子は後回し。
いったい何をやっているのやら?
「当店は少量製造です」とは、妙に格好良く聞こえるが…全く違う!
お客様からも「これだけ?」と聞かれる。
その時の私はきっと、いゃ間違いなく仏頂面だと思う。
どんな顔をして良いか解らないくらい〝恥ずかしい〟のだ。
ここまで不器用と来れば、もう大御所だ。
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パンを希望か?菓子を希望か?
現在、お客さまの来店理由が解らない状態です。
これではイケナイ!
リニューアルを機に「Bitteは何屋か?」を明確にしたいところなのです。
さて不器用話は延々続くも、続ける意味もないので…ここらでシメ!
父の子の筈なのに足元にも及ばない私は、自分の不器用という才能を認めながら、心の片隅で父のようになりたいと願いながら、大きく沈んでしまった小さい店に、それでもなお希望を掛けるのであります。
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baker Bitteがいる店:Bitte
場所:長野県長野市北石堂町1456
営業時間等は、プロフィールにてご確認下さい。