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「PLAN75」込めたのは警鐘と願い

2025年には国民の5人に1人が75歳以上になる、この国で。

映画「PLAN75」を鑑賞しました。

タイミングが合わず、劇場で鑑賞することが叶わなかったものの、Amazon Prime Videoに追加されたのでお家鑑賞。

これは刺さりますねぇ。

日本人ならしっかりと受け止めたい、強いメッセージがこもった作品です。

今回の記事では、映画「PLAN75」の見どころを解説します!

STORY

夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。
果たして、<プラン75>に翻弄される人々が最後に見出した答えとは―――。

映画公式サイトより引用

カメラ・ドール受賞

今作は、第75回カンヌ国際映画祭にてカメラ・ドールを受賞しています。

カメラ・ドールとは、カンヌ国際映画祭の賞のうちの一つで、いわゆる新人監督賞です。

「コンペティション部門」「監督週間」「国際批評家週間」で紹介された処女作の中から、最も優秀な作品に贈られます。

監督は早川千絵さん。

今回が長編デビュー作となります。

こんなにインパクトのある作品がデビュー作とは…いやはや、ものすごいですね。

今後の活躍が非常に楽しみであります!

実力派俳優の演技に注目

今作は、俳優陣の演技ももの凄く光っています。

倍賞千恵子

日本が誇る俳優の一人で、ハウルの動く城ではヒロインの声優も務めた実力者。

主演としては9年ぶりだとか。

品のある高齢の女性を見事に演じ切っています。

この品が重要。

優しくて誠実で品のある彼女が、最後にどのような道を選択するのかは、非常に考えさせられるものがありました。

磯村勇斗

磯村有斗さんの演技も素晴らしい。

今作は親切な市役所の若者を演じています。

ヤンキー役もハマるし、宗教狂いもハマる。

これからの活躍が本当に楽しみな俳優さんですね。

ステファニー・アリアン

フィリピン人女性を演じる、ステファニー・アリアンさんの演技にも注目です。

かなり重要な役どころに、決してメジャーではない彼女を起用したのは英断だったと思います。

ハリウッド映画と比べて、日本の映画はダイバーシティの乏しさが目立ちますので、このキャスティングは素晴らしいです。

河合優実

私は今作で、河合優実さんの演技が、一番泣けました。

最近とっても人気のある若手女優の一人ですね。

その理由がようやく分かりました。

最後の電話のやり取りは泣け過ぎるし、その後のカメラ目線もゾクッとします。

こちらに問いかけるような、凄まじさがありました。

超高齢社会

2025年には国民の5人に1人が75歳以上になると言われる日本。

こちらの内容はブログで👇

小津調の切ない部分

今作は、カメラワークも独特です。

私は今作から、小津調を感じました。

室内を撮る小津調の代表的なカメラワークと、人物をアップで撮るシーンが何度も映っていました。

特に、横顔を撮るシーンは、ドキッとさせられます。

手のひら

今作では、倍賞千恵子さんが手のひらを見つめるシーンが何度も出てきます。

はじめは、あのしぐさは一体何なのかわかりませんでしたが、終盤でようやく気付きました。

このシーンの考察はこちらを👇


今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画「PLAN75」の見どころを解説しました。

自分事にとらえて、じっくりと考えながら見ていただきたい作品です!

ブログでは映画に関する情報をたくさん紹介していますので、ぜひお読みにいらしてください👇


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