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「サンセット大通り」ショッキングすぎるラストシーン
私は今も大物よ。映画のほうが廃れたの。
「サンセット大通り」を鑑賞しました。
アカデミー賞では脚本賞と作曲賞、美術賞の三部門、ゴールデングローブ賞でも最優秀女優賞、作曲賞、監督賞を受賞した作品です。
映画の都ハリウッドのサイレント時代と50年代、2つの時代がシンクロする作品。「ハリウッドでハリウッドを描く作品が作りたかった」とビリー・ワイルダーは製作意図を語っている。売れない脚本家ギリスは、無声映画時代の大女優ノーマの家へ迷い込む。華やかな世界への返り咲きを願う彼女は、ギーリに脚本の手直しを頼むが……。ノーマ役のグロリア・スワンソンの緊迫感あふれる演技は秀逸。「クレオパトラ」などの監督として知られるセシル・B・デミルが、本人役で登場している。
あらすじやタイトルだけ見ると、どんな作品か分かりづらいですよね。
今作、名作と言われれば、必ず名前の挙がる作品ですが、実はホラー・サスペンス風味の強い作品なのです。
名作に挙げられるけどホラー
今作、結構怖いです。
特に、オープニングとエンディングはぞっとする見事な演出。
オープニングが強烈
まず、オープニングは水死体から始まります。
しかも、その水死体が、物語の語り部となってストーリーの幕が開くのです。
結末を見せてから、その過程を辿っていくという、当時としてはかなり斬新な展開が、脚本賞たる所以でしょう。
エンディングも強烈
エンディングは、私がこれまで観たホラー作品の中でも指折りのゾッとするものでした。
「暗闇で見てくれるファンの人たち…」というセリフと、グロリア・スワンソンの狂気の表情。
圧巻です。ゴールデングローブ賞最優秀は伊達じゃありません。
バビロンと同じテーマ
デイミアン・チャゼル監督の映画「バビロン」はご覧になりましたでしょうか。
私は「バビロン」の大ファンで、映画館で三度鑑賞するほど夢中になりました。
「サンセット大通り」は、「バビロン」と同じようなテーマで、類似点もたくさんあるんですよ。
サイレントからトーキーへ
「バビロン」同様、サイレント映画で活躍した俳優が、トーキー映画への波に乗れず失墜していく様を描いています。
無声映画に取り残された女優、ノーマ・デズモンドをグロリア・スワンソンが演じている点を筆頭に、セシルBデミル監督が本人役で出演したりと、そのキャストへのこだわりっぷりは「バビロン」以上です。
パラマウント社
「ハリウッド映画」とよく呼ばれますが、ハリウッドに本社をもつのは「パラマウント」だけだということをご存じでしょうか。
「サンセット大通り」には、パラマウントの制作会社や撮影スタジオが何度も登場します。
その中に、車で入場門を通るシーンがあるのですが、この門が、「バビロン」の終盤に出てくる門とそっくりです。
ぜひ見比べてみてください。
どちらも作品賞は…
「サンセット大通り」は、アカデミー賞でもゴールデングローブ賞でも作品賞は逃しています。
「バビロン」も同様です。
どちらも、本当に素晴らしい作品なのですが、逃した理由としては、ハリウッドの汚れた部分を描きすぎたという点にあるでしょう。
映画関係者が選出するアカデミー賞では、特にそういった作品は敬遠されがちです。
しかし、チャレンジングな姿勢や、挑発的な内容が、私は好きです。
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