「犬王」表現者が満たされていく末にあるのものとは…
見届けようぜ、俺らと共に。
映画「犬王」をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
この作品、600年前、室町時代に実在した犬王という人物に焦点を当てたロックミュージカルです。
ロックミュージカル
今作はロックミュージカルです。
声優は犬王を女王蜂のアヴちゃん。
友魚を森山未來さんが務めています。
この二人がとにかくロック調で歌いまくります!
犬王のダンスはマイケル・ジャクソンのようでもあるし、
フロントパフォーマンスの様子や歌い方はフレディ・マーキュリーのようでもあります。
客に手拍子を煽るスタイルは、We Will Rock Youのライブ映像を彷彿とさせ、興奮度MAXです!
また、琵琶法師の友魚の琵琶プレイはロックギターさながら。
ジミ・ヘンドリックスのような背面弾きも炸裂しますよ!
あの名作漫画にそっくりの設定
手塚治虫さんの「どろろ」という作品をご存じでしょうか。
「どろろ」のあらすじはこんな感じです👇
「犬王」では、犬王の父が、自身の技の発展のために、妻のお腹にいる我が子を、物の怪に差し出します。
その結果、犬王は物の怪の呪いを受け、異形の身体で産まれてきます。
とても設定が似ていますよね!
「どろろ」では百鬼丸が魔物を倒すことで、身体を一つずつ取り戻しますが、「犬王」では舞いを披露したり、技を習得することで身体を取り戻します。
刀の代わりに、音楽や表現でもって身体を取り戻すというのがまた、カッコいいですよね。
しかし、「犬王」はただの爽快なロックミュージカルではなく、表現者とはなんぞやという、深いメッセージが込められているのです。
満たされた表現者はどこへ向かうか
先述の通り、「犬王」では、主人公犬王が表現者として成長するたびに、普通の身体を獲得していくというストーリーです。
また、知名度や人気もどんどん上がっていきます。
これって、ミュージシャンやダンサー、芸術家などのアーティストが、成功していくことや社会的に成功するとはどういうことかを描いているんですよね。
アーティストには、ハングリーさであるとか、社会への反発、アナーキズムが創作の原動力になっていることが多いです。
ロックミュージックはまさにそういうカルチャーの音楽ですよね。
そんな、足りない者がある人や満たされていない人が、社会的に認められ、精神的・経済的に満たされていくとどうなっていくか。
被差別者が権力を持つとどうなるのか。
これを描いている訳であります。
売れてない時は好きだったけど、ブレイクしてから物足りなくなった経験、ございませんか?
制作陣も要チェック!
「犬王」は制作陣もめちゃくちゃ実力派揃いです。
まず、監督は湯浅政明さん。
「映像研には手を出すな」や「ピンポン THE ANIMATION」を手掛けた人で今最も目が離せない監督の一人です。
私は「映像研」大好き。
そして、キャラデザが「ピンポン」「鉄筋コンクリート」の松本大洋さん。
湯浅さんと再びタッグを組んでいるんです!
さらに、脚本は「罪の声」「アイアムアヒーロー」「図書館戦争」の野木亜紀子さん。
極めつけは、「あまちゃん」「いだてん~東京オリムピック噺~」「花束みたいな恋をした」の大友良英さんが音楽を務めております!
なんと豪華なのでしょう!!
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「犬王」の解説をお届けしました。
ロック好きにも、歴史好きにも、アニメ好きにも、映画好きにもオススメできる素晴らしい作品です👍