「TAR」謎多き狂演映画【解説記事】
そして、彼女は気づくのだった…
映画「TAR」を鑑賞しました。
ケイト・ブランシェットの素晴らしい演技が話題の作品です。
こちら、結構分かりづらい内容となっております。
今回の記事では、謎多き映画「TAR」のシーンのいくつかを解説します。
ネタバレを含んだ内容となっておりますので、未鑑賞の人はご注意ください!
それではここから先はネタバレ注意です!
クリスタの正体
TARにとって最大のスキャンダル、失墜の要因となってしまう、クリスタの存在。
この映画の中では、名前だけの登場に見えるクリスタですが、実は何度も登場しています。
まず、冒頭のスマホでのチャット。
あれはクリスタ自身がTARをストーキングし、撮影しているものです。
また、コンサート中に何度か赤毛の女性の後ろ姿が。
あれもクリスタです。
このように、クリスタがTARの近くに現れるシーンがあります。
ランニング中の叫び声は、TARの幻聴である可能性が高いですが、距離的にも精神的にも近い場所にいたことを示唆しています。
こうなると、誰の、どのような言葉がただしいのか、映画の見え方が、また変わってきそうですね。
フィリピンで見たもの
TARは終盤でフィリピンへと渡ります。
そこで彼女はつかれた身体を癒やすべく、ホテルで紹介されたマッサージ店へと向かいます。
そこにはたくさんの少女が、水槽と呼ばれる場所に集められているのです。
あれはいわゆる、マッサージを謳って売春を斡旋するサービス店です。
それを知ったTARは店を出て、嘔吐します。
自分がしてきたことや、自分が周囲にどのように思われてるかに気づいてしまったわけですね。
ラストシーン
この映画は、被り物や仮装をした若者の前で指揮をとるシーンで最後を迎えます。
こちらに関しては、ブログで詳しく解説いたします👇
このシーンに注目!
今作にて、ケイト・ブランシェットはゴールデングローブ主演女優賞を受賞しています。
どのシーンの演技も素晴らしいのですが、私が最も好きだったシーンをご紹介します。
それは、「アパート売り出し中~♬」と自室で歌うシーンです。
アパートの向かいの部屋が売りに出されることになり、その際、売主に楽器の演奏を注意されるTAR。
世界的な音楽家である自身の演奏が騒音であると言われ腹を立てた彼女は、その直後にアコーディオンをめちゃくちゃに鳴らしながらこの歌を歌います。
TARの失墜や焦り、プライドの高さからくる怒りとも見えますし、明らめのようにも見えます。
何よりこのシーン、この映画で唯一笑えるポイントです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「TAR」の解説記事をお伝えしました。
説明が少なくてわかりにくい映画ですので、ぜひご参考いただければ幸いです!
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