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「EO」ロバから視れば人間の方が愚かしい

これほど、俯瞰して人間を視ることができる映画はない

映画「EO」を鑑賞しました。

監督は、ポーランドが誇る名匠、イエジー・スコリモフスキ。

第75回カンヌ国際映画祭にて、作曲賞と審査員賞を受賞していますので、今年見逃せない作品のひとつといっても過言ではないでしょう。

なんと今作、主人公はロバなのです!

そして、ポスタービジュアルは、真っ赤な中にロバの顔面のみという、強烈なインパクト

ホラーなのか?ドラマなのか?ドキュメンタリーなのか?

かなり気になる作品ですよね。


鑑賞してみた結果、かなり心をえぐられました…。

動物や人間に対する考え方が大きく変わりますよ。

今回の記事では、不思議な映画「EO」について解説していきます!

作品概要

戦後のヨーロッパ映画界で最も評価の高い映画監督の一人であるイエジー・スコリモフスキ。本作は第75回カンヌ国際映画祭では審査員賞・作曲賞2部門を受賞、全米映画批評家協会賞では外国語映画賞/撮影賞の2部門を受賞し、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートを果たした。
スコリモフスキ監督の7年ぶりの新作としてポーランドとイタリアで撮影されたこの映画の主人公は“ EO(イーオー)”という名前のロバ。監督自身が「私が唯一、涙を流した映画」と語る、ロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』にインスパイアされた本作。ミハウ・ディメクによる臨場感あふれる見事なカメラワークと、世界の映画賞を席巻中のパヴェウ・ミキェティンによる印象的な音楽に連れ出され、我々観客はEOの旅を見守りつつも、ある時はEOの目線で予期せぬ荒波を潜り抜けることになる。
人間のおかしさと愚かさを、全くの別視点から体感するような無比の映像体験には、“鮮烈”“近年の映画には希少な大胆さ”と、その革新性とオリジナリティに多くの称賛が寄せられている。
サーカス団のパートナー、カサンドラの元を離れ、ポーランドのサッカーチーム、どこか影のあるイタリア人司祭ヴィトー、そして伯爵夫人らと出会うEO。彼の目から見える世界、そしてそこから我々に投げかけるものとは―。

映画公式サイトより引用

STORY

愁いを帯びた瞳とあふれる好奇心を持つ灰色のロバ、EO。
心優しきパフォーマー、カサンドラのパートナーとしてサーカス団で生活していたが、ある日サーカス団から連れ出されてしまう。
予期せぬ放浪の旅のさなか、善人にも悪人にも出会い、運を災いに、絶望を思わぬ幸福に変えてしまう運命の歯車に耐えている。
しかし、一瞬たりとも無邪気さを失うことはない。

映画公式サイトより引用

それではここから、映画の見どころや解説にいってみましょう!

どんなジャンルの映画?

結論から申し上げますと、「EO」はドラマ作品です。

サスペンスの要素はありません。(監督のセンスが光りすぎて、若干、ホラーめいた演出もありますが)

「EO」はロバのEOが、動物愛護法により、サーカスから連れ出されるところからはじまります。

EOは、その後一つの場所にとどまることはなく、たくさんの場所を旅することになります。

人間の愚かさを見せつける!

今作で私が一番強烈に感じたのは、人間の愚かさです。

「EO」に対する著名人のコメントの一つにこんなものがありました。

ロバは昔から「愚か者」の象徴として
物語に登場してきた。 この映画は、むしろ人間の身勝手で利己的な振る舞いを
繊細で賢いロバの目を通じて描く。
印象的なのは、ロバの漆黒の瞳に浮かぶ表情。 ロバの眼差しは、人間の言葉よりもはるかに雄弁だ。

太郎丸 ロバ旅行家

確かにロバって、愚か者や間抜けな象徴として扱われることが多いです。

でも、その瞳にはどこか憂いを感じます。

今作は賢くて素直なロバ、EOが様々な人間と出会います。

そして、彼の目線から、優しさや、愚かさ、凶暴さを目の当たりにします。

これほどまでに、俯瞰して人間を観ることができる映画はありません

また、動物を愛することとは何なのかを問われる側面もございます。

ロバは喋るのか?

ところで、私は今作を観る前にとても気になったポイントが、EOは喋るのかどうかという点です。

それによって、結構映画の内容が大きく変わってきそうですよね。

喋るなら、ややコミカルでファンタジックな内容になりそう。

喋らないなら、ドキュメンタリー調の真剣みの強い作品になりそう。

結果、「EO」は…

この続きはブログで👇


EO可愛い!

これも期待していたポイントですが、EOめっちゃ可愛いです。

賢くって、どこまでも無邪気。

可愛すぎました。

それ故に、深いドラマに化けるんですよね…。

赤の使い方がインパクト大

今作はポスターだけでなく、劇中も何度か真っ赤なシーンが出てきます。

冒頭から真っ赤でしたね。

どのようなシーンで赤が使われているかの解説はこちらを👇


音楽も絶品

カンヌ作曲賞を受賞しただけあって、音楽が大変すばらしいです。

恐らく、すべて映画音楽(今作のためだけに作られた曲)なのではないかと思われます。

クラシック調の音楽もいいのですが、アンビエント調の音楽がとても心に残りました。

もう、それだけで泣けてしまうほど、美しかったです。

ロバの〇〇〇がある?

今作で得た知識のひとつです。

ロバは○○○に使われるんですって。

こちらもブログで👇


今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画「EO」の見どころを解説しました。

カンヌ映画祭受賞作品は、流石です。

映画好きなら、ぜひ押さえておきたい1本です!

ブログでは映画に関する情報をたくさん紹介していますので、ぜひ遊びにいらしてください!


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