ピアノ、ソロ、上野日和。
久しぶりのピアノ。フジコ・ヘミングさんのソロコンサートを聴きに行って来ました。
場所は上野の東京文化会館。ここ三年くらいは控えていたから楽しみで楽しみで、昨夜はなかなか寝れなかった。
今回は、正面三階の席でした。
こういうコンサート会場には余裕持って入場したいタイプです。その場の雰囲気を損いたくないので。一時間前に到着し、のんびりと座ってました。
シューベルトで始まってから、ショパンの「ノクターン」、「別れの曲」、「革命」でもう目頭が熱く胸も熱くなり『この空間は現実なのだろうか?』とまで思ってしまいました。勝手に自分の歩いて来た人生を遡ってみたり、何故かフジコさんのピアノは感情を揺さぶられるのです。口からの言葉ではない演奏する楽器で話しかけられている不思議な感覚。
あっという間に前半が終わり、フジコさんの挨拶が……
「わたしのピアノに沢山の拍手をありがとうございます。前日は良く眠れなくて、寝不足の状態です。さらに耳も半分しか聴こえていません。足も痺れていて歩きづらくて、もう老いぼれで嫌になっちゃう。後半のリストは難しい曲だから、どうなるかは、ちょっとわかりません(笑う)」
今回はピアノの席に着くまで介助の方に手を添え支えられながらの入場だったことに(その後はカートで移動)正直、驚いてしまいました。前回の時はスタスタと歩き回っていたのに。89歳である事実にも。
でも、ピアノを目の前に腰を下ろすと、一気に力強く演奏をするその変貌ぶりに息を飲んだ観客はわたしだけでは無かったと思います。
永遠に輝き続ける孤高の天才ピアニスト
素晴らしかった。
「ラ・カンパネラ」がまた聴けて良かった。
約一時間半の🎹旅でした。
また行きたい♪
そして……帰りは
上野と言えば、東京藝大です。
地下の連絡通路に展示コーナーがあるんです。
以上、良い一日でした。
追記
フジコさんが亡くなったというニュースに言葉がありません。
熱望していた5月11日(土)の東京文化会館の振替公演も中止となりました。でもこれからもラ・カンパネラはわたしの心の中にあります。