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【52歳の誕生日】【大井川鐵道】自己免疫疾患(指定難病)とともに生きる (25) - JANGAN MALU-MALU! Living with an Autoimmune Disease

【52歳の誕生日】

 2024年11月15日、52歳の誕生日を迎え、皮膚筋炎を発症してから6か月強が過ぎた。抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎で間質性肺炎を併発している場合、発症後6か月以内の致死率が最も高いということで、「自己免疫疾患(指定難病)とともに生きる (9)」【八代亜紀さん】で書いたように、八代亜紀さんもこの期間に急速進行性間質性肺炎で命を落とされた。逆に言えば、発症後6か月強が過ぎた今、今後間質性肺炎の症状が急速進行する可能性は低くなっていくといえ、少しは安心材料となるだろうか。

 中米の古代マヤの暦では、52年(13年×4サイクル)を周期として循環するという考え方があるという。いわゆる「還暦」のような考え方であり、まさに52歳となる今年、私が皮膚筋炎の診断を受け、50日間の入院を経て第2の人生を歩み始めることとリンクしているように感じる。

【大井川鐵道】

 52歳のお祝いに、静岡の実家からほど近い大井川上流部、奥大井の渓谷に出かけた。
 大井川鐵道のSL「南アルプス号」(新金谷駅→家山駅)や、90パーミルという日本一の急勾配を進む日本唯一のアプト式列車(アプトいちしろ駅・長島ダム駅間)に乗車して、「武田信玄の隠し湯」ともいわれた寸又峡すまたきょう温泉に宿泊、寸又峡「夢のつり橋」や接岨せっそ湖に浮かんだように見える奥大井湖上駅の絶景を堪能した。
 大井川上流やその支流の寸又川の水は、息をのむようなエメラルドグリーンで、紅葉の色が水面に映え、とても美しい。これは、微粒子やプランクトンがごく少なく、水の底までとてもきれいな水のため、光が差し込むことで波長の短い青い光だけが反射される「チンダル現象」が見られるからだそうだ。

 大井川鐵道井川線で心に残ったことの一つは、車掌による個性的な車内放送である。車掌は常時忙しく、駅に到着するたびに車内ではつながっていない車両間を走って移動して、無人駅から乗車した乗客への切符の販売や検札をしながら、その合間に沿線の見どころ、四季折々の景色や名所、アプト式列車の仕組みなどを車内放送で案内し続け、休んでいる暇がない。車内放送は決まった原稿があるわけではなさそうで、車掌個人の体験を話してくださったり、下りと上りでは違うエピソードを紹介してくださったり、聞いていて飽きることがない。
 2024年6月、ローカル鉄道の再生請負人とも呼ばれる鳥塚亮氏が大井川鐵道の社長に就任し、これからも様々な取り組みが期待されている。長年を過ごした静岡の地元でも、まだまだ知らない素敵な場所がたくさんある。これからも旅を続け、各地へ出かけていこうと思う。
 丸2日間、奥大井の大自然に癒され、第2の人生を歩み始めるパワーが身体中にあふれてきた。それでも、山道を1~2時間も歩くと、以前よりも疲れがひどく、体力の消耗が激しい。無理せずゆっくりのんびり、身体を慣らしていこう。

寸又峡「夢のつり橋」
大井川鐵道井川線奥大井湖上駅

(つづく)

(カバー画像:52歳の誕生日)

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